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分科会1 q&a

後日参加者の皆様から寄せられた質問に対する講師陣の回答です。参考資料のうちPEPNet-Japanで配布しているものにつきましては、詳細ページへリンクしてありますので、併せてご覧頂ければ幸いです。


q. 数式を板書して指し示しながら「この式が…」と説明が入るような授業をノートテイクする場合に、その板書も書く必要があるものなのでしょうか。

a. 私の大学での例ですが、現在は板書の情報もノートテイカーが書いています。二人一組でノートテイクを行う中で、一方をメイン、もう一方をサブとして位置づけます。メインのテイカーが先生の発話内容を書きとり、板書の内容をサブが書き取ることでフォローし、「この式が…」の『この』の具体的な情報も話の流れの中で獲得できるようにします。例えば、写真1のようにメインが先生の話を書き、サブ(待機者)が板書の概略を書き、番号や記号を振ったり、写真2のようにテイクの中に板書の概略を書き、矢印などで話のどこの部分かを明示します。つまり2書に書かれているものが話の流れのどこに関連しているのかを意味付ける事が大切だと考えます。(回答/及川氏)

写真1写真2
写真3

参考資料
大学ノートテイク支援ハンドブック p.104, 付属dvd


q. 手書きでもパソコンでも、ノートテイカーはやはり2名でサポートしなければダメでしょうか。人数がいないので1人がやっとの状況なのですが。

a. 講義時間や、講義内容にもよりますが90分間、話が続くような内容は2人以上での支援態勢が望ましいと思います。情報保障の質にも影響しますが、支援者の体調管理にも留意しなければなりません。人員の確保(学内での広報に限界がある場合は、地域の担い手の確保を検討する)、現場での支援者の負担の軽減(映像物の使用がある時などは事前に映像を借り文字おこしをする)なども有効かと思います。(回答/及川氏)

参考資料
トピック別聴覚障害学生支援ガイド Tipsheet集 (6)情報保障の手段 (PDF 240KB)


q. 講義でパソコン操作をともなう場合の情報保障としては何が一番適していますか。

a. パソコン操作などに関しては、手順などをきちんと視覚資料で示しその後は実際のマウスの動きなどを見てもらう方法が機能を使いこなす点では有効です。しかし、その他の指示内容(学生からの質問や、先生の話)なども情報保障は必要となります。例えば、入力者(支援者)用のpcと聴覚障害学生が講義で使用するPCをケーブルでつなぎ、入力した文字情報を同一のpc画面内で確認する方法が視線の動きを軽減するという上でもよいでしょう。(回答/及川氏)


q. 支援にあたりたいという意欲のある学生が、たくさんいても、実際のスキル(ntやpc通訳)にはバラつきがあります。講義内容に合わせ、時間の空いている学生に通訳をしてもらおうと思ってもスキルが足りないときに、その学生を養成する為の時間を取り、スキルが身についてきたら派遣したいと思うのですが、養成する時間を取るのはとても難しいです。「講習会」「勉強会」と題してスキルアップの機会を持てるようにしてはいるのですが、実際に参加した学生に尋ねて見ると大してスキルアップの場になっていないのではないか、と言われました。講習会・勉強会でより良いスキルアップの場を提供するために良い方法があれば教えていただければと思います。

a. スキルアップについての方法をいくつかご紹介します。

  • 定期的な講習会、勉強会の開催を継続する。
  • 事前に身につけられるスキル(基本的な技法)と現場で実際に役に立つスキル(個々の場面に応じた技法)が必ずしも一致するわけではありません。実際に困難な場面に直面しながらも、それ以後同じような場面で対応が可能となった時にスキルアップを実感すると考えます。まずはテイカーが実際に体験した困難はどのようなことなのかという振り返りを行い、その課題解決のため必要な方法は何か(テイカー側が努力する事で解決できるのか、先生方への配慮を願うところなのか)を検討します。検討する=『支援者自身が考える』事が大切だと考えます。また、同じような経験をした支援者(前年度の講義を担当した学生、同じ教員の他の講義を担当している学生など)に状況や対応策を聞くことも有効です。
  • 勉強会への参加者が少ない場合は、事前に勉強会で行うテーマなどを打ち出すことで参加者が積極性を持つことがあります。
  • なかなかスキルが上がらないと感じている学生にも優れている点は必ずあります。pcテイクを例にあげると、タイピングが遅くても、キーワードを落とさずに入力していたり、連携し易いように潔い入力をしてくれたり(少量しか入力できないと卑下せず、「後はお願い!」といい意味で自分の力量を判断し開き直る)と本人が気づいていない点を具体的に示す事で、支援に対するモチベーション=スキルアップにつながることがあります。
  • 聴覚障害学生からのテイクの必要性、情報保障などへの積極的な参加の呼びかけは、支援学生を啓発することに大きな効果があります。

(回答/及川氏)


q. 「目への負担」を減らす方法というお話しがありましたが、それは具体的にどのようなことがありますか。

a. 目への負担は、様々な要因が絡みあって発生します。例えば、教室が暗いという要因で目が疲れるという状況もありますし、ノートテイクされた文字が小さくて読みにくいといったケースもあります。これらに関してはちょっとした教室環境の改善やノートテイク方法をフォローアップすることで解決することが可能でしょう。
またノートテイクとの付き合い方に慣れていない、初めて出会うノートテイカーの文字の癖に慣れていないというケースも考えられます。新入生は、ノートテイクをどのように活用していけばよいのか分からないという方もいらっしゃいます。各自の能力に合わせて、ノートテイクとの付き合い方をお手伝いをすることも、目の負担を減らすことにつながるでしょう。(回答/太田氏)


q. FM補聴機器はかなり有効のようですが、これが使えればノートテイカーをつける必要はないのでしょうか。

a. fm補聴器等は聞こえを補助するための機械です。マイクを持っている話者の声はよく聞きとることが出来ますが、授業中に学生が発言するときなどには、マイクから音源が離れてしまうため十分に生かすことができない状況も出てきてしまいます。これらのことから、FM補聴器を使用しても、聞こえる人と同じ聞き取り能力を得ることは不可能です。ノートテイクとFM補聴器等を併用することで、より多くの情報を聴覚障害者が得られるようになるでしょう。(回答/太田氏)

参考資料
トピック別聴覚障害学生支援ガイド Tipsheet集 (13)補聴援助システム (PDF 361KB)


q. 私はノートテイクを初めてまだ3ヶ月です。ずっと手書きでノートテイクを行っています。先輩や利用者さんは優しいので、特に指摘されることもありません。
ですが、自分のノートテイクがこのままで大丈夫なのか最近悩んでいます。他大学では、ノートテイカーの悩み相談窓口のようなものが充実しているのか気になりました。

a. 本学では、相談窓口としては、障害学生支援の専門コーディネーターが中心に行っています。くわえて、ノートテイクの経験が豊富な学生(質問内容にある「先輩」?)からアドバイスや相談をしてもらえるよう、うながしています。また、学期の中間や期末に、ノートテイカーや利用者を集めた振り返り会のような場をセッティングし、悩みを出し合うこともあります。
「自分のノートテイクが大丈夫か」という主観的な不安は、テイカー誰しも抱きますし、辛いものです。しかし、テイク利用学生に「大丈夫か?」と尋ねても、(全体を聞きとれていないのだから)答えることができず困ります。一つの方法としては、授業にテイカ―や利用者とは別の「第3者」をいれて問題ないか確認してもらうことがあります。そこで「問題ない」となれば、テイカーも利用者も、“底なし沼”の不安から解放されるかもしれません。(回答/後藤氏)


q. ノートテイカーがいない状況での効果的なノートテイク講習会の開催方法があれば教えて下さい。

a. 現在の状況が、「ノートテイクのニーズがなく、ノートテイカーはいるものの、支援を行っていない」場合には、以下のようなことが考えられます。まず、ノートテイクが「通訳」技術であることを説明したり、学外での活動の場についての情報を提供したりして、テイカーのモチベーションをもたせることが大切です。また、たとえば講演会や各種の式典でのスクリーンをつかったノートテイクは、聴覚障害学生だけでなくても、参加者すべてにとっての情報保障の質を高めるものですから、そういう機会を作って、ノートテイク講習会の目標とするのも一つの方法だといえます。
これとは別に、これから聴覚障害学生が入学する予定があり、ノートテイカーが全くいない状態の場合には、外部の方に依頼して初心者講習会などを開催し、興味をもつ学生を増やすという方法もあります。外部の方は、他大学で実際に支援を行っている学生や、支援を受けている学生などでも良いでしょう。また、大学などの高等教育機関でのノートテイク経験の豊富な地域の要約筆記団体などに協力を要請する方法もあります。(回答/後藤氏)

参考資料
大学ノートテイク支援ハンドブック 1章第2節 p.21


q. 学生に対する教室外での安全保障について、押さえておくべきポイントはあるか。「工場実習」「緊急の学内放送」など、ノートテイクでは補えない情報の保障はどのようにしたら良いでしょうか。

a. 図書館やトイレなど周りに人がいない場合が問題になると思います。火事や地震などの緊急時の連絡につきましては,学内放送と同時に聴覚障がい学生の携帯電話にメールで連絡するという方法があります。そのためには,高等専門学校で聴覚障がい学生の携帯電話を携帯してもらうようにする必要があります。
この他に、PEPNet-Japanのホームページでは、「実践事例アイディア集」として、ディスカッション形式の講義の情報保障や危険が伴う授業でのポイントなどについてご紹介していますので、ご参考までご覧いただければと思います。(回答/新國氏)


q. 支援体制作りとして教職員の理解を得る、というものがありましたが、具体的にどう働きかけていけば良いのでしょうか。

a. 全教職員の理解を得ることは難しいということを前提に取り組んだ方がいいかもしれません。
まずは,障がい学生や支援学生とフランクに語り合える教職員を増やすことが必要だと思います。最初は数名でいいのです。聴覚障がい学生と接する教職員,例えばクラス担任やゼミの担任,講義担当者,教務課や学生課の窓口などの職員に呼び掛けて,聴覚障がい学生が大学生活や授業の中でどんなことで困っているか,あるいは,聴覚障がい学生に接している教職員がどのようなことに困難性を感じているかといったことについて話をする場を持ってはどうでしょうか。そして,すぐできることや時間をかければできること,うまくやれていることや工夫していることなどについて話し合ってみてはどうでしょうか。聴覚障がい学生や支援学生と語らう時間を持つことも必要です。
また,聴覚障がい学生が所属する学部の学部長や教務委員長に同席してもらうことも大切です。話をする中で,PEPNet-Japanや日本学生支援機構などから発行されている参考資料等を読んで学習し合ってもいいと思います。そして,それについて,教授会や教務委員会等で学部長や教務委員長から報告をしてもらうとよいと思います。実際に障がい学生に接する機会のない教職員は,知らないが故に誤解をしていたり,支援について非常に難しく考えている場合もあります。
このようなことを地道に続けて行くことが,理解する教職員を増やしていくことにつながるような気がします。焦らずゆっくりと,身近なところから働きかけてみてはどうでしょうか。(回答/新國氏)

1つは、広く情報を発信する戦略です。チップシート集に教職員の理解状況に応じて必要なトピックを抽出して説明・配布します。
もう1つは、理解を深める戦略です。聴覚障害の疑似体験、ノートテイクのシミュレーション体験、情報保障のロールプレイング、聴覚障害学生の体験談などのfd/sd研修を実施してみましょう。(回答/松崎氏)

参考資料
トピック別聴覚障害学生支援ガイド Tipsheet集
access!聴覚障害学生支援DVD(2) 小さな「気づき」で変わる授業・変わる大学


q. 聴覚障害の学生がいるという事を教職員に認識してもらい、それを前提として講義に臨んでもらうと言うことがとても難しいようです。職員によっては意欲的な方もいれば、全然耳を傾けてくれないという方もいらっしゃいます。認識を高めるための良い方法があればお願いします。

a. 全教職員の皆さんに理解をしていただくためには、繰り返しお知らせし続ける事が大切です。これまでの講義スタイルを急に変更することは、先生方にとっても大きな負担となります。その負担を軽減しつつ、学生全体の為になるような取り組みである事を知っていただく事も大切と考えます。組織的に意識を高めていくためには、下記の様な方法もあります。

(1)まず学科や学部などの組織単位で、聴覚障害学生支援は特別扱いではなく一般学生と対等な立場に位置づけるために行うこと、その支援は一般学生にとっても有用であることを共有認識してもらいましょう。また全国的な動向も把握して学生教育の質的保証として行う必要があることも伝え、気づいていただけるよう情報を提供します。
(2)その上で教職員全員に対し、上記(1)と配慮をお願いする文書、支援方法の参考資料を配布しましょう。体験型の講座を取り入れたfd等を実施するのも良いかもしれません。
(3)それでも理解が進まない場合には、聴覚障害学生が所属する専攻・コースの教員なり授業シラバス担当教員なり理解ある関係教員を通して改めて個別に配慮をお願いできるように協力体制を作ってみましょう。

(回答/松崎氏)

参考資料
・教職員の為の障害学生修学支援ガイド (jasso発行)
access!聴覚障害学生支援DVD(2) 小さな「気づき」で変わる授業・変わる大学


q. 入試(面接)での支援。どこまでの支援が「公平」なのでしょうか。特に母語が日本語ではない志願者の場合。音の変わりと考えるなら、仮名書きとも考えられると思います。

a. 「母語が日本語ではない志願者」というのは、2つのタイプが考えられます。1つは、手話を第一言語(母語)とする、 特にデフ・ファミリーのような家族全員がろう者というような志願者です。もう1つは、手話は使わず日本語能力も年齢相応のレベルに達しているとは言い難いような志願者です。
そして、志願者一人ひとりの伝達手段やそのレベルも多様です。「仮名書き」のように”文字化”する方法も考えられますが、表情、振る舞い、声のイントネーションなど文字化されにくい情報が志願者に受信されにくくなるデメリットがあることもご考慮される必要があるかと思います。
そこで基本的には、実際に志願してきた者の伝達手段やそのレベルを事前に把握したうえで、どのような方法(例.ゆっくりした音声、読話しやすい話し方、手話通訳をつける、筆記方法は志願者の日本語能力レベルを踏まえて決める等)で面接を行うことが可能かをご検討されてはいかがでしょうか。その上で、その志願者の伝達手段、面接での対人コミュニケーション力などを他志願者の成績と相対的に比較したり、大学教育についていけるかどうかなど総合的に評価されるとよいかと思います。
このように、聴覚障害や日本語力の問題があっても面接の情報にアクセスできるように保障することで他の受験生とほぼ「公平」な状態にしておいた上で、きちんと評価できるようにすることが大切ではないかと思います。(回答/松崎氏)

参考資料
・教職員の為の障害学生修学支援ガイド (jasso発行)


q. 利用者さんが大学にいない場合、地域の小中学校へ情報保障に行くなど特別の活動をしていらっしゃるのでしょうか。

a. 聴覚障害学生の入学を機に支援の輪が広がり、ノートテイカーの活動が活発になっても、利用する学生さんの卒業を機に活動の場がなくなってしまうのは大変もったいないことだと思います。 せっかく盛り上がった支援活動を維持するための方策として、利用学生がいなくなってもノートテイカー養成講座を開催し続けている大学があります。仙台大学では学内の協力者も一緒になって、自主勉強会を継続して開催しています。次に聴覚障害学生が入学した時に対応できるようにしておくだけでなく、大学をあげて取り組む活動の一つとして障害学生支援を位置付ける、という効果もあるようです。
また、京都市内の複数の大学が連携している京都コンソーシアムでは、連携大学共通の科目としてノートテイクの授業を開講していますが、この授業をきっかけに、支援学生の不足している大学が他大学の支援学生に協力を呼び掛けるなど、大学間ネットワークが形成されています。こういった、養成や支援活動を大学同士で協力して行うような取り組みは、他の地域にも広がっていくと大変効果的だと思います。
そのほか、学内のボランティアセンターなどが仲介となって、近隣の小中学校に在籍する難聴児の支援に、ノートテイカーの学生が携わった例もあるようです。ただ、大学での情報保障と小中学生への支援は特性の違うものなので、小中学校等に活動の場を広げる際にはそのことを十分考慮する必要があると思います。(回答/PEPNet-Japan事務局)


q. ノートテイクの体制が作れない場合、授業を行う教員が注意すべき事はどのようなことでしょうか。また、効果的な事前研修の方法はありますか。

a. 授業担当教員は、学生達が力をつけられるように授業を行う事が求められます。ですから、聴覚障害のある学生のみならず、教室にいる学生全員が理解できるような配慮が必要です。それらの教育的配慮には、以下のようなものがありますが、これらの配慮は聴覚障害者にとっても授業に参加しやすくなる項目が含まれています。(1)板書を多くする、(3)パワーポイントで講義の大筋や構成を把握できるように作る、(4)関連資料を多く配布する、(5)聞きやすい話し方をこころがける、(6)皆が参加できるような環境を作る。これらの項目は基本的なものです。具体的な方法につきましては、PEPNet-Japan発行の「トピック別聴覚障害学生支援ガイド Tipsheet集」をご覧下さい。
また、事前研修については聴覚障害学生支援に関わるdvdを上映して学ぶ方法や実際に支援を受けた経験のある聴覚障害学生や卒業生などの話を聞くことなどが手軽にすぐできると思います。(回答/松崎氏)

参考資料
教職員の為の障害学生修学支援ガイド (jasso発行)
access!聴覚障害学生支援DVD(2) 小さな「気づき」で変わる授業・変わる大学


q. 基本的な事項について書かれている参考書があれば教えて下さい。

a. PEPNet-Japanのホームページでは、聴覚障害学生支援に関する書籍もご紹介しています。ノートテイカーの養成から制度の運営について書かれた、「大学ノートテイク支援ハンドブック」や、その他聴覚障害に関する書籍も掲載しています。また、同じくホームページの「成果物一覧」では、PEPNet-Japanがこれまでに発行してきた様々な資料、教材をご紹介しています。是非一度ご覧下さい。(回答/PEPNet-Japan事務局)

参考資料
PEPNet-Japan成果物一覧


q. 遠隔パソコンノートテイクが実現したとすると、どれだけの問題(テイカー不足など)が解決するのでしょうか。

a. まずはじめに、遠隔パソコンノートテイクがシステムとして実現するための課題が幾つかあります。
講義室側と、入力者側にネットワークの環境があり、必要な機材が揃う必要があります。
ネットワーク使用については、ネットワーク管理者と相談しておくとよいでしょう。
機材の運用に関しては、必要に応じてトラブルが起きても対応できるスタッフを配置する必要があります。
次に、pcテイクの入力者の確保が課題になります。
複数のキャンパスを持つ大学等の場合などで、aキャンパスにテイカーの人材が豊富でbキャンパスの聴覚障害学生支援を担当できるほどの人員がいるような状況があれば、aキャンパスからbキャンパスへ遠隔によるパソコンノートテイクが実現可能となります。
このような課題をクリアしてはじめて遠隔パソコンノートテイクが実現しますが、パソコンノートテイカーが不足する大学に対して、余剰の人員がいる大学等からの支援が実現すれば、ある大学でパソコンノートテイカーが不足する問題は解決できるでしょう。
また、聴覚障害学生が卒業してしまったが、パソコンノートテイクの経験者がまだ在学しているような大学と連携することで、有能なテイカーを共有することもできるでしょうし、現地に行く必要がなくなることで同じ拠点から同じ日に複数の大学支援が実施でき、遠隔パソコンノートテイクが実現できることで情報保障の可能性は広がると考えられます。(回答/PEPNet-Japan事務局)


q. 実用可能な遠隔ノートテイクの体制の実現に、時間と手間がどれだけかかると思われますか。

a. 遠隔パソコンノートテイクを導入しようとする場合、時間と手間については一概には言えません。
(おそらく担当者の「どうしても実施するんだ」と言う熱意によって時間は大きく左右されます)
おおよそ以下の条件をクリアすると良いように考えます。

  • 遠隔パソコンノートテイクを依頼しなければならない状況にあること
    どうしても学内のノートテイカーの人材が不足する状況にあり、近くにも依頼できない状況など遠隔パソコンテイクでなければ支援ができないという状況を、支援担当者の共通認識にできると、遠隔技術を使った支援の実現が早くなるでしょう。
  • 遠隔パソコンノートテイクを担当できる人材がいること
    実際に担当してもらえるテイカーを確保する必要があります。実際には他大学を支援できるほどのゆとりのある大学は少ないかもしれません。
  • 遠隔パソコンノートテイクに必要な機材(設備)が揃っていること
    講義室側、入力スタジオ側でそれぞれ考慮するべき内容があります。
    【講義室側】
    遠隔パソコンテイクを実施する講義室にネットワーク環境があること。
    ネットワーク管理者と相談して、ネットワークが使用できるようになること。
    遠隔パソコンノートテイクを実施するための機材が揃っていること。
    【入力スタジオ側】
    入力場所の確保
    ネットワークの使用が可能である環境
    遠隔パソコンノートテイクを実施するための機材

これらが揃ってようやく実施・実現が可能になるのではないかと考えられます。(回答/PEPNet-Japan事務局)


q. 日本の中で先導的モデル事業として障害者の支援体制の取り組みをしている大学・機関を教えて下さい。

a. 聴覚障害に限らず障害全般に関わる支援体制の取り組みのことでしたら、日本学生支援機構の障害学生修学支援ネットワークの拠点校があげられます。webで公開しておりますので、ご参照ください。(回答/松崎先生)

参考資料
連携大学・機関


q. ノートテイカーへの報酬について、適正な対価を教えて下さい。

a. ノートテイカーへの謝礼金の額は、各大学で基準が決められています。大学内の短期雇用の基準に則って、1コマあたりの謝金を決めている大学が多いようです。
筑波技術大学障害者高等教育センターが2005年に行った「聴覚障害学生のサポート体制に関する全国調査」によると、調査に回答した大学の約60%がノートテイカーに謝金を支給しており、その額はおおむね時給800円・1500円程度(平均1000円程度)となっています。一部の大学では、学生と学外のノートテイカーとで差を設けているところもあるようです。
ノートテイカーの謝礼金を1000円(時給)とした場合、1授業に2人派遣すれば、1週間当たりに必要となる謝金費用は 1000円x2人x1.5時間x履修科目数 となります。
この他に、手話通訳を派遣する場合などの例につきましてもPEPNet-Japanのホームページにありますので、ご参考までご覧下さい。(回答/PEPNet-Japan事務局)


q. 他大学の支援はどのような物があるのでしょうか。(私達の大学ではノートテイクとパソコンノートテイク、ビデオの字幕と文字起こしを行っています)

a. 授業中と授業以外の配慮の方法で以下のようなものがあります。

  • 詳しいノートの作成(ノートテイクを見ることに集中した場合には自分のノートが取れないため、ノートテイカーの理解不足で情報の漏れや誤解が不安な場合に授業後に確認するため、など)
  • レジュメ
  • 資料補助(ノートテイクに加えて、指さしや書き込み等)
  • 小型ゲーム機(pspなど)を使った遠隔ノートテイク
  • 手話通訳
  • パソコンノートテイク、および、筆記によるノートテイク
  • 映像教材への字幕挿入
  • fm補聴器や磁気ループを使用する …など。

(授業以外)

  • 講演会や式典でのスクリーンを使ったパソコンノートテイク
  • 電話での問い合わせの代行 …など。

上記以外にもそれぞれの大学で、さまざまな支援を行っています。PEPNet-Japanでは、その支援の取り組みについてホームページでご紹介しています。PEPNet-Japan連携大学・機関のページを是非ご参考になさって下さい。(回答/後藤氏)


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