
2020年4月21日公開
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、多くの大学でオンラインで授業を行う方針が打ち出されています。聴覚に障害のある学生には、自宅で授業を受ける際にも授業の音声情報が得られるよう、情報保障などのサポート体制が必要です。
ここでは、オンライン授業を行う際に活用可能な聴覚障害学生支援に関わるコンテンツをご紹介します。
授業の提供方法や聴覚障害学生のニーズなど大学ごとの事情にあわせて、必要な情報を参照していただければ幸いです。
最終更新日 2020.9.8
・「5.リアルタイム配信の授業で離れた場所から手話通訳を行いたい」のページに、「LINEを活用した遠隔手話通訳」を公開しました。<はじめに オンライン授業での聴覚障害学生支援について>(このページの下部へ)
・授業を担当する教員の皆さまへ
・支援担当部署の皆さまへ
・聴覚障害学生の皆さまへ
<オンライン授業で使える支援方法コンテンツ>(別ページへリンク)
1.収録された授業映像や動画教材に字幕をつけたい
2.リアルタイム配信の授業で離れた場所からパソコンノートテイクを行いたい
3.リアルタイム配信の授業で離れた場所から手書きノートテイクを行いたい
4.リアルタイム配信の授業で離れた場所から音声認識字幕の修正作業をしたい
5.リアルタイム配信の授業で離れた場所から手話通訳を行いたい
6.オンライン授業が聞きやすくなる補聴援助システムを活用したい
7.情報保障支援の補助として文字情報を提示したい
8.見やすい方法で快適にオンライン授業に参加したい【利用学生向け】
9.対面授業で感染防止策をとりながら支援したい
10.参考になるコンテンツ
【授業を担当する教員の皆さまへ】
教員の方には、授業や教材を準備する段階で次のような配慮、協力をいただけると、聴覚障害学生の円滑な受講の助けになります。
・収録する映像への字幕挿入(以下のコンテンツで簡便な方法をご紹介しています)
・映像収録、またはオンライン授業時のマイクの使用(口元にマイクをつけて収録すると、音声が聞きやすくなります。パソコン付属のマイクは、周囲の雑音も入ってしまうためお勧めしません。)
・読み上げ原稿やレジュメなどの提供(字幕挿入や情報保障で十分対応できない場合も文字起こしがあれば最低限のサポートとなります)
・その他授業時に板書やキーワードを提示するなど視覚的情報を増やす工夫
・質疑応答やディスカッションでのチャット機能の活用やメールでの質問対応
・遠隔情報保障を行う場合、使用するシステムや機器によっては、教員側で支援の状況を把握できない場合もあります。できるだけ授業中あるいは授業後に、聴覚障害学生に情報が伝わっているか、支援者に音声が確実に届いているかといった状況確認を行ってください。
【支援担当部署の教職員の皆さまへ】
オンライン授業に際し、通常時の支援と異なることとして以下のような点に留意ください。・提供できる支援方法が限定されてしまう状況でも、聴覚障害学生一人ひとりのニーズを確認し、十分な支援とならない場合の代替手段や補助手段をご検討ください。
・遠隔情報保障支援では本来、機器やネットワークのトラブル(支援者に授業音声が届かない、利用者の画面に文字が表示されない等)で情報保障ができなくなった場合に備え、利用者のいる現地で何らかの支援が継続できるようなバックアップ体制を用意することが原則です。オンライン授業の場合も、そうした緊急時の対応方法をあらかじめご検討ください。
・急なトラブルや情報保障が困難な状況になったとき、授業中即時に対応することが難しい場合も、支援の状況を支援者、利用者から丁寧に聞き取り、授業担当教員のフォローを得るなど次善の策を講じることが大切です。
【聴覚障害学生の皆さまへ】
大学に足を運べず、支援についての相談も落ち着いてできないまま、自宅での受講が始まっている方も多いと思います。オンラインでの授業は、教室での授業と状況が変わりますが、情報保障を受ける方法や、授業に参加しやすくなる配慮、工夫のための方法があります。情報保障が必要だったり、受講について心配なことがある人は、大学の支援担当部署や担当の先生にぜひ相談してください。
また、学生さんたちは、普段より画面を見る時間が増え、目の負担が大きくなりがちです。負担の少ない環境で受講できるよう工夫してみてください(参考はこちら)。
<ご相談・お問合せについて>
初めて遠隔情報保障の導入を検討されている大学の方へ
遠隔情報保障を行うには、さまざまな留意事項や必要機材、学内の体制(教職員への周知内容など)があります。導入にあたっては、ぜひ、遠隔情報保障実践マニュアルの内容をご確認ください。 さらにオンライン授業での情報保障の場合には、授業の方法や学生のニーズにあわせた対応が必要になる場合があります。
導入に当たってご不明な点やご質問がある場合は、個別にご相談をお受けします。
ご相談の際には、メールで下記の点をお伝えください。
1.大学名
2.支援を実施する授業の形態(オンラインのライブ配信、収録授業の配信、音声入り映像教材の配布、等)
3.聴覚障害学生の状況、希望している支援方法
4.ご相談、お問合せの具体的内容
5.回答方法に関するご希望(メール回答、テレビ会議や電話でのやり取りを希望、等)
PEPNet-Japan相談対応事業について
PEPNet-Japanでは聴覚障害学生支援に関わるさまざまなご相談・問合せを受け付けております。遠隔情報保障に限らずお困りのことやご質問、ご相談のある方は、下記ページをご参照の上、事務局宛にご連絡ください。
→【リンク】PEPNet-Japan相談対応事業のページ(事務局連絡先もこちらをご参照ください)