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Web調査 聴覚障害学生のオンライン授業に関わる実態調査の結果報告



PEPNet-Japanでは、2020年秋に、聴覚障害学生を対象にオンライン授業の実情を探るためのWebアンケートを実施しました。
日々の授業や課題で忙しい中、大学生活が一変した不安やストレスを抱えながらも回答にご協力くださった学生の皆さま、どうもありがとうございました。学生さんに調査の周知をしてくださった教職員の皆さまにも感謝申し上げます。
集計の途中経過は、オンラインシンポジウムの企画3の中でも紹介させていただきましたが、最終集計の調査項目の一部を、ここに結果を報告いたします。より詳細な分析と結果のまとめは、別途発表させて頂く予定です。

皆さまの大学での支援体制の充実に、お役立て頂ければ幸いです。
また、聴覚障害学生の皆さまには、同じ思いや似た経験をしている学生が全国にいることや、他の学生がしている支援の工夫、コミュニケーションを工夫について、知っていただくきっかけになることを願っています。

調査期間:2020年10月30日〜11月16日
調査対象:2020年度にオンライン授業を受講した聴覚障害学生30名程度
※対象者の募集にあたっては、PEPNet-Japanメーリングリストで会員大学・機関を中心に呼びかけを行いました。
有効回答数:28

1.回答者の状況
1)所属・学年
回答者の97%が学部生(短大含む)でした。新1年生は全体の21%でした。
回答者属性のグラフ:4年制大学の1年生21%、4年制大学の2年生32%、4年制大学の3年生29%、4年制大学の4年生11%、大学院1年生3%、短期大学2年生3%



2)2019年度(コロナ前)の情報保障利用率(2年生以上のみ、N=22 )
2年生以上の回答者22名について、コロナ禍前の2019年度、履修した授業数と情報保障を利用した授業数を尋ねたところ、16名が90%以上の授業で情報保障を利用しており、そのうち11名は100%でした。
2019年度の情報保障利用率のグラフ:30%未満2人、30〜49%1人、50〜69%1人、70~89%2人、90〜99%5人、100%11人

また、22名の平均は83.55%でした。ばらつきはありますが、回答者の傾向として、これまで比較的充実した支援を受けていた学生の割合が多かったことがわかります。


2.2020年度の履修と支援の状況(N=28 )
1)履修したオンライン授業の数
平均履修数:10.4科目
最多は16科目で、1年生の回答者は全員、10科目以上を履修していました。
全履修授業に対するオンライン授業の割合を見ると、 100%が26人にのぼり、1年生の回答者は全員含まれていました。
各学生の、オンライン授業が占める割合の平均は、98.49%でした。

2)オンライン授業での情報保障利用率
オンライン授業のうち、何らかの情報保障を利用した授業数を尋ねたところ、

 50%以上:13人(このうち8人はすべての授業に情報保障あり)
 50%未満:15人(このうち7人は情報保障ありが0科目)

でした。どの学生さんも授業の大半がオンラインとなった中で、情報保障の状況には学生ごとに大きな差があったことがうかがえます。


3.オンライン授業およびその情報保障の状況
1)オンライン授業での困難
情報保障のあり・なしに関わらず、オンラインで受講する際に感じた困難を複数回答で答えてもらったところ、以下のような結果となりました。
オンライン授業での困難についての回答結果の棒グラフ、インターネット環境9件、機材の用意7件、体調不良14件、課題が多い20件、教員の配慮が不十分8件、他の学生の配慮が不十分4件、学期初めに相談機会がない1件、授業後に相談機会がない2件、情報保障がない2件、希望と違う情報保障手段6件、特に困難はない3件、その他1件

情報保障に関する困難(「情報保障がない」「希望と違う支援手段となった」など)もあがっていますが、それを大きく上回って、「インターネット環境が不安定」「(目や体の痛みなど)体調不良」「課題の多さ」があげられており、授業環境が変化したことによる負担が非常に大きかったことがうかがえます。

加えて、「教員や他学生の配慮が不十分」「(学期前や各授業後に)配慮依頼をする機会がなかった」など、情報保障以前の環境整備が間に合わなかったことが、学生が困難を感じる一因となっていることがわかります。

2)リアルタイムのオンライン授業でよかったこと(自由記述・抜粋)
・難易度の高いディスカッションがなく、講義を聞くだけのスタイルだった
・授業の資料や参考資料が前日までに提供されて、授業終了後にもアクセスできる形だったので、予習や復習ができた
・普段の講義に近いスタイルで、スライドを用いながらの説明なので受講しやすかった
・先生からの配慮とノートテイク支援、それぞれがしっかりしていた
・ゼミの仲間は理解ある人がほとんどで、1人ずつ話してくれた
・オンラインだと、スピーカーで聞き取りやすい音量に調節し、静かな環境で聞くことができた

3)リアルタイムのオンライン授業での困難(自由記述・抜粋)
・情報保障がなく、授業内容が全く理解できなかった
・聞き取りにくいことが多かったがその場で聞き返すことができなかった ・音声認識ソフトを使ったが修正がなく、よくわからない文章になって理解しづらかった
・グループディスカッションでの配慮がなく、参加できなかった
・グループの話し合いでは意見を出しただけで、他の人の意見はよく分からなかった
・他の学生が発言するとき、声の大きさによって情報量が左右されてしまう
・自分一人で何とかするしかなかった

4)オンデマンド授業でよかったこと(自由記述・抜粋)
・パワーポイントに必要な情報が書かれていた
・字幕がついていて、授業内容を理解することができた
・担当の先生が文字起こしをしてくださった
・パワーポイントの機能で文字起こしがついていて、ストレスが一切なかった
・音声がなく文字情報のみの形式だった
・聞き逃してしまっても巻き戻しで見ることができた
・期間中何度も見返すことができ、自分のペースで復習ができた

5)オンデマンド授業での困難(自由記述・抜粋)
・資料を読んで課題を出すことの繰り返しで、きちんと学べているのかどうか不安だった
・情報保障がなく、音声認識ソフトのみだったので誤字が多く、講義内容を理解することが難しかった
・パワーポイントだけが映し出されていると、先生の口が見えないため話の内容が分からないことがあった


4.周囲とのコミュニケーションについて
1)相手ごとのコミュニケーションの状況
教員、職員、友人など相手ごとに、昨年度と比べて、どのくらいコミュニケーションが取れたと感じているかを尋ねたところ、以下のような結果となりました。(1年生については「想像していたのと比べてどうだったか」を回答していただきました。)

対教職員は、回答にばらつきがあり、対面に代わるコミュニケーションツールを上手く活用できたケース、できなかったケースがあったようです。
対友人、対他の受講生では、コミュニケーションが取れなかったとする回答が目立ちました。聴覚障害学生にとっては、オンライン環境ではインフォーマルなコミュニケーションほど難しさが増したことがうかがえます。
コミュニケーションの状況についてのグラフ:支援担当教職員、授業担当教員、支援者、他の受講生、友人それぞれについての回答を帯グラフで提示。以下、主要な2件のデータ:支援担当教職員とのコミュニケーションについて:昨年度よりかなりよい6件、昨年度よりまあまあよい4件、昨年度と同じくらい4件、昨年度よりあまり取れない10件、全く取れない1件、いない3件。他の受講生とのコミュニケーション:昨年度よりかなりよい1件、昨年度よりまあまあよい2件、昨年度と同じくらい3件、昨年度よりあまり取れない7件、全く取れない13件、いない2件。


2)オンライン授業期間中のコミュニケーションについて感じたこと(自由記述・抜粋)
・昨年度より会話が激減しているので少し不安を感じている
・やりとりの手段がある分、「コミュニケーションを取ろう」と思わないとその機会がない
・顔が見えていない状態でのチャットは、相手が何か考えている様子が全く読み取れず困った
・友人を作る機会がほとんどなく、気軽に質問できるような相手がいなくて困った
・オンライン授業のほうが周りの学生のことを気にしなくても済むから楽だった
・「発言が重ならないように」とお願いし、最初は配慮をしてくれたが、盛り上がってくると忘れられてしまうことがあった
・相手がマスクをしているとき、自分が聞こえないと迷惑を掛けるのではと思い、話しかけるのに躊躇した



オンライン授業での情報保障に関するコンテンツ集

NEWオンラインで行われる授業での支援方法について、情報発信するページを新設しました。内容は随時更新しています。

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