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質疑応答③(回収した質問用紙のもの)

講座終了後にいただいた質問への回答を掲載します。

2.派遣コーディネートに関わる質問


Q.ノートテイクを行う際、同じ科目の履修者は担当すべきでないという意見があります。支援学生が、自分の成績不振の理由をノートテイク支援のせいにするからとのこと。実際はどうなのでしょうか。(大学職員)

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)
通訳(ノートテイク)に集中していると、授業の内容が頭に入りにくく、もちろん自分のノートを取ることもできません。逆に、授業を受けることに専念すれば、ところどころの情報を伝えるだけのノートテイクに留まらざるを得ません。このように、聞こえる学生にとって、授業を受けることと情報保障にあたることを同時に両立するのはきわめて困難なことなのです。同じ授業の履修者に、ノートテイカーとしての役割を求めるということは、その学生がその授業で学ぶ機会、学ぶ権利を奪うことにつながります。ですので、結果的に成績不振につながったとしても、その学生本人を責めることはできません。

講義の様子(田中氏)そのため、コーディネートにあたる職員の方はノートテイクや通訳の役割を十分知っていただき、情報保障に専念できる支援者の配置を心がけていただきたいです。

また、ノートテイカーの欠席などでやむなく同じ授業の履修者の協力を得る場合は、履修者自身の受講が可能な範囲で、支援できる方法を取るようにします。具体的な方法については、聴覚障害学生からきちんと伝えてるようにしましょう。


Q.ノートテイクは2人で担当しますが、一方が体調不良などで休み、交代の人も手配できない場合、どうしたらよいのでしょうか?(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)
原則として、1人では派遣しないようにしています。1人で90分を書き続けることは、ストレスも大変大きく、また手を痛める原因にもなり、テイカーにとっては大きな負担となります。また、授業の担当教員が、「ノートテイクは1人でもできるもの」と誤解してしまうことも、デメリットの一つです。

一方の欠席などによりノートテイカーが派遣できない状況になった時は、利用者自身と支援担当者双方から「今日は、ノートテイクが付いていない」ということを担当教員に伝え、理解と協力を求めます。「テイカーが不足している現実」を知ってもらうきっかけにもなるでしょう。

このように、何か起きた時の対処や対応の基準のようなものを作っておき、テイカーと利用者、教員の共通理解を、整えておくことをお勧めします。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)
交代要員も見つからず、やむなく1名派遣になる場合は、そのことを、利用者ともう1人のテイカーに伝えます。その上で、テイカーには、「1人で90分のノートテイクになるので、要約しながら腕に負担がかからないようにお願いします」と伝えます。利用学生には、「テイカーが1人になるため、2人の場合よりも要約した情報になりますが、ご理解、ご了承ください」というメールを同報で送ります。こういうケースはよくあるので、他の非常ケースと含めて、日ごろから対応方法を伝え、確認しおくことが大切です。


Q.ノートテイカーの人数について、一人の利用者に対して何人くらいいれば回していけますか。(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)
単純に計算すると、利用者が週10科目履修する場合、1科目に2人を派遣しますので20人です。1人のノートテイカーを週2回派遣するならば、10人となります。ただ、体調不良で休んだ際の交代要員や、空き時間が合わなかった場合の調整を考慮すると、15人程度確保できているのが良いかもしれません。これは単純な人数の算出です。

しかし、ノートテイカーの空き時間や技術の習得度によって、1週間に活動できる時間数は変わってきますし、利用学生の人数や専攻によっても必要な人数は変化していきます。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)
現在、同志社大学で障がい学生支援制度を実際に利用している学生は4人です。ノートテイクを必要としているコマ数については、学年や学部、免許取得の有無によってもコマ数が異なるので一概には言えません。ノートテイカーの人数については、基本的に1コマあたり2人を派遣、1人のノートテイカーの1週間の派遣数は上限3コマ程度として必要人数を確保し、派遣しています。


Q.人数の確保と質の維持で、考慮すべき点があれば、教えてください。(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)
まず、人数の確保のためには、早めに準備をすることが大切です。4月になってからでは、オリエンテーションや入学式など授業以外の対応も必要になり、間に合いません。そのため、前年度の後期あたりから確保しておくという長期的な計画が効果的です。

質の維持については、身に付けた技術が夏休みや春休みなどの長期休業中に下がってしまわないよう、学習会などを企画するのが効果的です。 また、利用学生の履修科目が専門的になるほど、同じ専攻に所属するノートテイカーの専門知識が生かされ、ノートテイク活動の助けになります。ノートテイカーを集める際に、利用学生と同じ専攻から意識して確保するようにしておくこともポイントになります。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)
人数の確保は非常に重要です。学期の始まる直前から募集を始めたのでは間に合いませんので、派遣調整が落ち着く6月、7月、11月、12月など、時期を選んで集中して講座を設ける必要があります。また、夏期休暇を利用した集中講座もよいでしょう。この際、学内の学生がよく目にする掲示板などで募集の呼びかけを繰り返したり、個別講習を積み重ねることが人数の確保につながります。また、利用学生やスタッフの個人的な呼びかけも効果を発揮することがあります。

質の維持は、利用学生がどのようなノートテイクを求めているのかを常に確認しながら、専門的な授業、話すスピードの速い授業、語学など様々な授業を録音し、テイクの練習をします。利用学生や経験の深いテイカーとともに、評価を行い、意見交換をすることで、多くの気づきがあり、スキルアップにつながっていきます。


Q.利用者とノートテイカーの意見交換が必要だと感じていますが、そういった意見交換の場はどのくらいの頻度で設ければよいしょうか?

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)
頻度は、大学大学の状況で、違ってくると思います。例えば、5月くらいに最初の顔合わせをして、お互い学部と名前くらいはわかるようにしておきます。学期後、次の学期のために、意見交換の場を設定するという流れを作るとやりやすいのではないでしょうか。

具体的な話し合いを行うためには、雰囲気作りが必要です。いきなり「話し合いましょう」と言って集まっても、なかなか意見を出し合うのは難しいものです。最初は、現行のノートテイクのルールでやってみて銅だったかなど感想から出し合っていくなど、段階を踏んでやっていくことをお勧めします。


Q.初心者向けに講習会を開くことが困難なため、初心者がいきなり現場に入ることが多いです。その場合、利用者がその場で教えたり、コーディネーターが説明していますが、どういった方法で対応すればいいのでしょうか。(利用学生)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)
初心者のノートテイカーが現場に入ることもあると思いますが、最低限、「ノートテイクは記録ではなくその場で読むために書くこと」「単語だけではなく文章で書き続けること」など基本的な書き方は伝えておくようにしましょう。それから、担当する科目についての情報を伝えましょう。授業の進め方や先生の話し方など、状況がわかっていることで、落ち着いた対処ができます。

また、できるだけ初心者どうしではなく、経験のあるノートテイカーとペアになって派遣するようにします。利用学生からも、「次回、こうやってくれると、もっと使いやすくなる」ということを少しずつ伝えていくことで、書き方のコツも吸収しやすくなるでしょう。

利用学生が複数いる場合は、お互いにどういったことをテイカーに要望したり伝えたりしているか、連絡を取り合って、ノートテイカーを育てていくというような気持ちで接していくと良いと思います。


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