Q 教職員に周知すべきことはありますか?

周知の前に

聴覚障害学生への配慮といっても個々の学生の育ってきた環境や障害の度合い、コミュニケーション方法によってニーズは様々です。
聴覚障害学生の中には、支援の必要性や有効性に気づいていない場合も往々にして見られます。学生生活の中で聴覚障害学生自らが支援に関心を持つ機会をとらえることも、周囲の配慮といえるでしょう。(「聴覚障害学生の意思表明とその支援」シートを参照

周知したい内容

聴覚障害学生の意向が見えたところで、履修している授業に出席する際、最低限必要となる配慮事項については、教職員に周知しておきたいところです。内容については聴覚障害学生本人と確認して作成します。
たとえば、試験やレポートに関する告知は板書する、補聴援助システムを使用する学生の場合はマイクをつけてもらう、などです。これらの事項は聴覚障害学生の負担を軽減するためにも、支援担当職員から伝達するのが望ましいですが、学生と教員が直接話をするのも理解と協力を得るきっかけにもなるため、状況に応じて直接的な関わりをうながすことも必要です。
また手話通訳やノートテイク、パソコン要約筆記の支援が実施される場合には、支援者に対する事前資料の提供が情報保障の質を高めることに役立ちますので、配慮に加えたい事項です。(「授業における教育的配慮」シートを参照

周知の方法

教員への依頼や連絡は、教務課や学部事務室が担当するケースが多いようですが、非常勤講師が講義を担当するケースでは教員間の依頼がよい場合もあります。学生課と教務課とで役割分担が明確な場合は、聴覚障害学生と教員とのスムーズなパイプ役となれるよう、担当者同士が連絡を密に取り合い、情報の共有に努めることが大切です。
このような教職員側の理解と配慮があってこそ、手話通訳やノートテイクといった情報保障支援が効果的なものとなります。基本的な支援の基盤ができた上で、情報保障者の確保・養成・登録・派遣など、さらに支援体制を充実させていく取り組みが必要となってくるでしょう。

TipSheet「入学当初のサポート」土橋恵美子・倉谷慶子・中島亜紀子より
(2007/11/30)

参考になる資料

入学当初のサポートについては、以下のTipSheetに概要がまとめられています。

TipSheet「入学当初のサポート ㉓」
土橋恵美子(同志社大学学生支援センター障がい学生支援担当)
倉谷慶子(関東聴覚障害学生サポートセンタースタッフ)
中島亜紀子(PEPNet-Japan事務補佐員)

入学決定後のサポートの流れ
入学前の打ち合わせ
履修に関する配慮
入学式での情報保障
オリエンテーション
配慮の依頼

「入学当初のサポート」 ダウンロード

チップシート「入学当初のサポート」1
チップシート「入学当初のサポート」2
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