【タイトル】 学生主体のPCテイク研修「PCテイク特待生」の紹介 【発表者】 大阪教育大学 障がい学生修学支援ルーム 小馬加奈子 谷口慧 ■研修体制 サポート学生になるときにすべての活動の基礎となる基礎研修を受講し、「インクルーシブ教育」や「合理的配慮」、「大学における支援」への理解を深める。 その後、それぞれの支援の応用研修を受講して支援活動に参加できるようになる。 PCテイクの応用研修であるPCテイク特待生は、全6回(必修3回+応用3回)構成。 必修を終え、タイピングが基準速度(3.5key/秒)に達すると、研修完了となる。 「基礎研修(基礎動画・ガイダンス・障がい者支援入門)」を受講したのちに、「PCテイク」「字幕挿入」「手話」「テキストデータ化」の応用研修を受講できる。 ■特待生 「PCテイク特待生」は、教職員の管理の下、学生が講師となって行われる実践研修。23年度は前期7コマ、後期3コマ開講。 毎週1コマ(90分)、受講生1〜4人/講師1〜3人程度の小グループに分かれて研修を行う。 講師担当の学生はPCテイカーから募集し、通常の支援活動と同じ謝金(1100円/時間)が支払われる。 研修計画に沿って研修は行われ、知識の伝達だけではなく、実際に入力し実践することを大事にしている。 特待生研修の前には講師同士で情報共有を行い、期間中もグループチャットで進捗やおすすめの教材などを共有している。 研修各回ごとの内容は報告書に記載し、教職員が確認・フィードバックを行う。 その他、特待生特別編やテイカー勉強会などの機会を設けて技術を途切れさせないようにしている。 第1回:タッチタイピングなど入力の基本 第2回:発展的な入力方法、トラブル対応 第3回:CaptiOnlineを用いて連携の実践 第4回〜第6回:模擬授業動画等を用いた連携入力の実践、発展的な状況でのテイク練習 (第1回〜第3回が必修、第4回〜第6回が応用) (特待生活動中に教えあう様子の写真2枚) (特待生実施報告書の実例) ■受講生から ・学生同士で行うので “研修”の堅い雰囲気があまりない。  →支援というものが遠いもの、難しいものではなく、自分でも取り組みやすそうだと思える。 ・できることが増えたときに褒めてもらえることがモチベーションにつながる。 ・テイクでのトラブルや、その際の対応について実際に起こったことを聞くことができる。 ・デビュー時の相方が特待生講師の先輩で安心してデビューできた。 ・自分が教えてもらった講師から誘われて講師を担当することにした。 ・教えることで、自らの知識を再確認することができる。 ・他の講師とテクニックを交流したり、自分とは違うポイントを知ることができる。 ・普段行っているテクニックやポイントを繋ぐことができる。 ・学生同士で教える工夫や準備などが自らの糧になる。 ■講師から ・自分が教えてもらった講師から誘われて講師を担当することにした。 ・教えることで、自らの知識を再確認することができる。 ・他の講師とテクニックを交流したり、自分とは違うポイントを知ることができる。 ・普段行っているテクニックやポイントを繋ぐことができる。 ・学生同士で教える工夫や準備などが自らの糧になる。 ■サポート学生の支援に対する気持ちの変化 @「支援」って難しそう、なにができるのかわからない。 特待生への参加 Aできることが増え、支援が身近なものになる B学生同士の関係が深まりルームが居場所になる Cその中で主体的に活動していく D支援が「あたりまえ」に ■職員より ・PCテイクのニーズが少なかった年も、特待生研修を行うことでモチベーションの維持や、技術をつないでいくことができた。 ・個々の進捗状況や、テイクスキルが報告書にまとめられているので、テイカーのコーディネートの際に参考になる。 ・学生間でのコミュニケーションが活発になることで、支援に対する理解が深まり、想いの共有の場となっている。 ・普段の支援活動では、トラブルや改善案があったとしても学生からの提案が少ないが、特待生の講師間での話や、報告書などで課題に気が付いたり改善点を提案してもらえたりと、支援について主体的にかかわるきっかけとなっている。 ・学生が主体であるからこそ、学生の負担にならない形を探していきたい。 ・学生同士の空きコマに行われるため、どうしても合わず、次回の研修となることがある。 以上