実践発表P5 タイトル:学習支援セミナーとして始める聴覚情報保障への理解・啓発 発表者: 蒔苗詩歌 北星学園大学経済学部/アクセシビリティ支援室  松浦 年男 北星学園大学文学部、学習サポートセンター長 ■聴覚情報保障の一般的な課題および北星学園大学の状況 聴覚情報保障(特にノートテイク)の一般的な課題および北星学園大学の状況 ・学生の在籍状況は年度によって異なりニーズが変動的 北星:ノートテイクは、2022-2024年度は実施なし ・情報保障のための支援学生の確保・養成を継続的に行う難しさ 北星:ノートテイクを要する学生の在籍が無いと、養成研修を行っても、学生のスキル維持(モチベーションの持続)が難しい ■ノートテイクに必要となるものの一例 ・人材確保と継続のモチベーション(ヒト) ・一定の研修期間(時間) ・必要機材の整備や講習開催(モノ・カネ) ⇒必要に応じてすぐに準備・提供できるものばかりではない ■「障害のある学生のための情報保障技術」を持続的に整備するには、様々な面での難しさがある。基礎的タイピングスキルや音声認識やテキスト化等の情報保障に役立つツールは情報保障のみならず、学習を効率的に進める上で、障害のある学生に限らず多くの学生にとっても役立つスキルにもなる。そこで、学習支援セミナーとして情報保障ツールの紹介や体験を通じて聴覚情報保障への理解・啓発活動を行った。 ■目的 ・学習支援セミナーとして情報保障に活用可能なツールを紹介し体験する機会を設ける ・聴覚情報保障への理解者をふやす ⇒潜在的な支援者の養成 ■方法 ・学習サポートセンター ラーニング・コモンズで開催 ・昼休みに気軽に参加できるように20分で実施 ・専門知識などではなく、学生のケータイに入っている標準アプリで音声認識・文字認識を体験してみる ■学習支援セミナーとして開催したATセミナーのチラシへの記載内容 レポート・卒論がんばれ企画!AT(支援技術)セミナー開催 11月7日(木) 1回目 12:10~12:30 2回目 12:30~12:50  場所:センター棟2階 ラーニング・コモンズ Presentation & Seminar Area 参加特典:お菓子、ドリンク ■当日のスライド資料(一部) スライド1: ATって何? Assistive Technologyの略 障害のある人もICT機器・技術を使えるようにと工夫された支援機器や技術のこと 現在は、障害のある方へのサポートに活用されることもありますが、誰にでも便利なものがたくさんあります スライド2: 本日の企画では・・・ みなさんが持っているケータイ・パソコンにあるATをご紹介したいと思います ①音声→文字に換える ②印刷文字→データの文字に換える 便利な機能を使いこなして、レポートや卒論執筆を効率的にがんばっていこう! ■参加者アンケートの結果(回答者数10名) ■質問1:文字認識(印字をテキストデータにする)を知っていましたか?また使ったことがありましたか? ・初めて知った、使ったこともなかった 70% ・以前から知っていたが、使ったことはなかった 0% ・以前から知っていたが、使ったことがあるのは1.2回のみ 10% ・以前から知っていたが、使ったことがあるのは数回で頻度は多くない 10% ・以前から知っていて、日常的に使っている 10% ■質問2:音声認識(音声をテキストデータにする)を知っていましたか?また使ったことがありましたか? ・初めて知った、使ったこともなかった 50% ・以前から知っていたが、使ったことはなかった 40% ・以前から知っていたが、使ったことがあるのは1.2回のみ 0% ・以前から知っていたが、使ったことがあるのは数回で頻度は多くない 0% ・以前から知っていて、日常的に使っている 0% ■質問3:今後のセミナーで体験してみたいツールはありますか? ・文字認識(印字をテキストデータにする) 20% ・音声認識(音声をテキストデータにする) 20% ・体調管理 0% ・睡眠管理 30% ・時間管理 20% ・音声読み上げ(テキストデータを機械が読み上げる) 10% ・コミュニケーション支援(外国語コミュニケーション支援) 0% ■質問4:「あなたが思う支援ツールのイメージ」について伺います。下記の言葉があてはまるかどうか教えてください。 ・便利  あてはまる100% あてはまらない0% ・信頼できる  あてはまる90% あてはまらない10% ・手抜き  あてはまる20% あてはまらない80% ・楽  あてはまる80% あてはまらない20% ・難しい  あてはまる20% あてはまらない80% ・面倒  あてはまる0% あてはまらない100% ・限界がある  あてはまる60% あてはまらない40% ・効率的  あてはまる80% あてはまらない20% ・不安定  あてはまる30% あてはまらない70% ・信頼できない  あてはまる10% あてはまらない90% ・時間がかかる  あてはまる20% あてはまらない80% ・シンプル  あてはまる80% あてはまらない20% ■実施およびアンケート結果をふまえて ・試行的な開催だったが、参加者には好評であった。職員の参加も数名いた。 ・昼休みの限られた時間での実施となるため、できるだけ短く、飲食とセットで開催することで参加しやすさにつながりそう ・参加者10名の結果ではあるが、支援機器に関わる事前知識や求める内容には幅がある ・支援ツールへのイメージは一貫していそうだが、人数を増やして、参加が増えるごとの変化も検討していく必要性がありそう ■今後にむけて ・第2回目も実施予定(12月17日)、対象者を学生および教職員に拡大教職員への理解・啓発もかねていく ・専門的なことを学ぶ機会というよりは、学生や教職員が活用している標準的な端末(ケータイ・PC)で体験可能な内容を扱い、ベースラインを上げるような取り組みとして位置付けていきたい ・開催を重ねていった後に応用編として専門的内容を少しずつ扱っていければと検討中 ・教員によるアウトリーチを学習支援として連動的に ■問い合わせ先 蒔苗詩歌 北星学園大学経済学部/アクセシビリティ支援室  Mail:s-makinae@hokusei.ac.jp