利用学生の多様なニーズに応えるために 〜情報保障講習会を受けての報告と今後の展望〜 東北大学特別支援室学生サポーター(ミト リョウヤ、イシカワ シュウカ、キタジョウ カズキ、オカザキ ノゾミ、クドウ アツヒロ) ■情報保障講習会の報告 【実施日時】、2025年7月5日、6日 聴覚障害学生の多様なニーズに応えるため、聴覚障害の基礎知識や情報保障の意義を改めて学び直し、新システムであるT-TAC Caption2を利用した、パソコンノートテイクの講習会に参加しました。 遠隔情報保障システム「T-TAC Caption2」は、国立大学法人筑波技術大学の三好教授が開発したシステムです。 (写真:情報保障講習会で学生40人くらいが講師の話を聞いている様子) ■講習会の流れ(フローチャートで左から順番に流れを示す) 講義 社会的障壁を考える、情報保障とは 利用学生の声 ノートテイクとサポーターの役割 単独入力 一人で、話者の話をすべて文字入力するノートテイク 連係入力 複数ニンで協力して、1つの文章を作成していくノートテイク ■サポーターの感想(吹き出しにして4人分の感想を示す) (写真:講習会を受けている学生が、マイクを持って感想を話している様子) その場にいるすべての人が、同時に同じ質と量の情報を得て参加できることに加え、場の空気を伝えることも重要だと感じた。 聴覚障害とは「聞こえるオトがムオンに近い状態」だと想像していたが、実際には多様な聞こえカタがあると知り、驚いた。 (写真:2名の学生が連係入力をおこなっている様子) 入力では、句読点を適切に入れる意識や、細かな変換を行う必要があると感じた。 連係入力では、ペアで呼吸を合わせることの重要性を痛感した。 ■利用学生の感想 (図:人のアイコン)(吹き出しにして感想を示す) サポーターが利用学生の立場に立ち、わかりやすく情報を伝えようとする姿勢を拝見でき、嬉しく思いました。今後もぜひ情報保障に関心を持ち続けてほしいです。 ■今後の展望 スキルアップ T-TAC Caption2の練習会を増やす UDトークとの使い分け 利用学生のニーズに合わせて、T-TAC Caption2やUDトークを使い分けた修学支援を行う 支援の選択肢を増やす 他の手段(例:手話、筆談など)の勉強会を行う 利用学生の声を積極的に 実際に利用学生とハナシアウ機会を増やす ■学生サポーターについての紹介 学生サポーター(ガクサポ)は、障害のある学生が安心して学べるよう支援する学生ボランティアです。2025年8月時点では64名が登録し、学部・学年を問わず幅広いメンバーが活動しています。養成・イベント・広報・課外ボランティア活動・機器ネットワーク管理の5つのワーキンググループで、「誰もが過ごしやすいキャンパス」づくりを目指しています。 ■学生サポーターの4つの活動についての紹介 (色がついた4つの枠で示す) (緑色の枠の中に、説明と写真を載せている) 【養成・スキル講座】 学生サポーターとして登録するときに必要なスキルや知識を疑似体験を交えて獲得する (写真:2人の学生が手書きノートテイクの練習をおこなっている様子) (赤色の枠の中に、説明と写真を載せている) 【研修企画】 スキルアップのため、当事者を招き、日常生活の工夫や困りごとなどの話を聞き、見識を広げる (写真:車椅子ユーザーが学生に向けて自身のことを話している様子) (青色の枠の中に、説明と写真を載せている) 【アクセシビリティ調査】 車椅子利用者など歩行が困難な方のために、坂道や段差、みんなのトイレの場所などを記載したマップを制作する (写真:学生サポーター4名が屋外で調査をしている様子。1名が車椅子に乗り、1名が車椅子を補助し、1名が写真を撮り、1名が記録をしている) (黄色の枠の中に、説明と写真を載せている) 【情報保障】 主にUDトークを用いて、情報保障を行なう。音声情報の誤変換や文の切れ目等を修正する (写真:4名の学生がリアルタイムでの情報保障をおこなっている様子) ■問い合わせ先 東北大学学生相談・特別支援センター特別支援室(大友・本田) 電話番号:022-795-7696 メールアドレス:t-sien@ihe.tohoku.ac.jp X:@tohokuDSO_sapo(東北大学学生サポーター)