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2021.11.19

入学式での情報保障について

2022年11月25日更新

入学式は、人生の節目の機会です。聴覚障害学生が周囲の学生と同様に、祝福と励ましの中で大学生活をスタートさせるためには、式典での情報保障が欠かせません。入学式の時点では、入学後の合理的配慮に関して未確定な段階である場合も多いかもしれませんが、式での情報保障については、ぜひ修学支援の準備と並行して、調整していただきたい点です。
手話通訳やパソコン要約筆記(パソコンノートテイク)の派遣を利用する場合は、各地域の行政、社会福祉協議会、情報提供施設等にお問い合わせください。地域の派遣センターでは、大学等の教育機関における授業への継続的な派遣については相談が必要な場合がありますが、イベントや式典など単発の依頼であれば、大学からの依頼で派遣を受けることが可能です。

画像 式典での手話通訳とパソコン要約筆記のスクリーン投影

式典での手話通訳とパソコン要約筆記のスクリーン投影

式典の情報保障では、手話通訳者の立ち位置や照明、パソコン要約筆記の機材の配置や表示方法など、関係者との打ち合わせが不可欠です。式典の運営を担当する事務部署と事前に十分連絡をとり、支援担当部署の担当者が当日会場で通訳者の対応に当たれるよう、調整しておくとよいでしょう。また、パソコン要約筆記を用いる場合は、式次第や式辞の原稿を前もって渡しておくことで、事前入力の準備ができ、円滑な情報保障が可能になります。
手話通訳の場合も、事前に手話表現を確認するなどの準備をすることができます。
学内の式典に初めて情報保障をつける場合、通訳者が壇上に立つことや文字通訳のスクリーンを置くこと、式次第などの資料を事前に通訳者に提供することなど、大学にとっては初めての経験となることも多く、急な調整が難しいこともあります。
関係者の理解を得ながら準備を進めることが大切になります。


TipSheet「入学当初のサポート」(土橋恵美子・倉谷慶子・中島亜紀子)に一部加筆