2021年9月20日公開
2024年5月15日更新
対面で行われる授業では、これまで聴覚障害学生の両隣にノートテイカーが座り、先生の音声が聞き取りやすいように前方の座席を確保することが一般的でした。しかし、オンライン授業で多く取り入れられた遠隔情報保障のシステムを活用することで、聴覚障害学生が自由に座席を選び、クラスメイトと近くに座って受講することも可能になります。また、支援者が大学に来られなくても自宅等から支援を行うことが可能になるため、支援者不足を解消することにもつながります。
対面授業の支援を遠隔地から行う場合には、以下のようにいくつかの実施パターンが想定されます。
1.支援者が自宅等学外の場所から支援(学外の支援者、他キャンパスに在籍する支援学生、支援学生が授業がない日で在宅の場合など)
2.支援者が学内の別室から支援(教室が狭く支援者のスペースが取れない場合など)
3.支援者が同じ教室内の離れた席から支援(聴覚障害学生が自由に席を選び、支援者は聞き取りやすい座席を確保したい場合、授業中に座席移動を伴う活動がある場合など)
授業音声の送受信について
オンライン授業であれば、支援者もオンライン授業に入室することで、授業の映像・音声にアクセスできます。しかし上記の3つのパターンのうち、支援者が教室内にいない1や2のパターンの場合には、何らかの形で、授業音声を支援者に送る方法や、授業資料の提供の方法を講じる必要があります。
[例]支援者が自宅や別室から支援する場合
・教室と支援を行う場所とでテレビ会議システムを繋ぎ、教室の音声・映像を支援者が見られるようにする
・電話回線の通話等で授業音声を支援者に送る
・遠隔情報保障のシステムに含まれるカメラやマイク機能を使って、授業音声・映像を支援者に送る(遠隔文字情報保障システム「T-TAC Caption」には教室音声・映像の送信機能があります)
遠隔情報保障の手段について
遠隔地から行える支援手段としては、何らかのシステムを活用してパソコンノートテイクや手話通訳が行えるほか、書画カメラや手書きノートの共有アプリなど必要な機器等の準備ができれば、手書きノートテイクの実施も可能です。利用するシステムの検討や機器の接続方法については、オンライン授業における情報保障支援の各コンテンツを参照してください。