文字起こし作成はノートテイク支援と違い、学生によって作業完了までにかかる時間に差があり、謝金基準が定めにくいという難しさがあります。主に以下のような体制の例があります。
①支援学生が作業時間を申告し、それに基づき時間給で支払う
この方法で運用していた大学の場合、学生によって作業時間に差が生じることがあっても、概ね一日に作業できる時間の上限が決まっていて、終わらなければ他の学生に引き継ぐ体制になっていたり、比較的短時間で進められる学生のメドをつけて依頼するように調整するなど、期限内に文字起こしを完成させられるよう工夫していました。
②担当する映像の長さを基準に謝金額を定める
実際に作業にかかる時間ではなく、文字起こしを担当する映像の時間を基準として謝金を支払っている例もありました。この場合、先生が無言の時間が続いたり、資料を読み上げる場面は作業対象から除くなど、映像内容をコーディネーターがあらかじめ確認して「作業対象となる映像の時間」を決めるという一手間を掛けている例もありました。
なお、文字起こし業者等に委託する場合は、映像の長さに対する単価設定となっている場合がほとんどです。
③文字起こし作業独自の謝金単価を設定し、映像の長さに応じて支払う
ノートテイク等の他の支援とは別に、文字起こし作業の独自の謝金単価を設定して、運用していた例もありました。
例)
文字起こしに要する平均時間がどのくらいなのかをテスト作業を行い算出し、作業に要する時間を映像時間の4.5倍程度と算定して単価を設定。30分の映像の文字起こしを一人の学生が担当する場合は、この基準に沿って作業従事時間を約2時間とし、その時間分の謝金が支払われる。