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2024.06.27

英語の教員免許に関する履修について

聴覚障害のある学生が英語の教員免許(「中学校教諭一種免許状(英語)」「高等学校教諭一種免許状(英語)」)を取得しようとすると、リスニングやスピーキングに関わる授業の履修が必須となります。教養科目としての「英語」の授業の場合は、情報保障等の合理的配慮のもとで受講したり、リーディング・ライティングの授業に振替をしたりして、個々の学生のニーズに応じた方法で授業に参加し、個々の状況に合わせた英語力をつけていくという対応が取られています。
しかし、教員免許に関わる授業の場合には、教育職員免許法学習指導要領などさまざまな規定の中で授業科目が設定されており、どのように対応すべきか悩まれるケースが多いようです。

英語の教員免許に関わる授業について、特に「4技能」に関わる授業への対応の考え方について、解説します。

■学習指導要領やコアカリキュラムとの関連

教育職員免許法施行規則に定める英語の教科に関する専門的事項や指導法で、4技能を求める法令上の規定はありませんが、施行規則においては、各教科の指導法は「学習指導要領の内容を包括的に扱うこと」となっており、英語の学習指導要領は4技能を前提としているものであることから、外国語(英語)コアカリキュラムも4技能を踏まえたものになっています。

一方で、当該コアカリキュラムは、英語の教職課程の授業内容が妥当であるか判断するためのものあり、学生個人の評価方法まで定めたものではないため、学生の履修上の評価は大学が自学のポリシーに則り、自らの責任で実施するものとなります。

コアカリキュラムは、あくまで大学が英語の教職課程を設置する場合に、科目設定の参考とするためのものなので、合理的配慮の提供まで勘案されたものではなく、つまり「合理的配慮が必要な学生の評価に縛りをかける性質のものではない」ということです。

(参考)文部科学省ウェブサイト 外国語(英語)コアカリキュラム
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/04/1415122_3.pdf

※規則上、英語の免許を取得するためには、英語学、英語文学、英語コミュニケーション、異文化理解の4つに関する科目(専門的事項)と英語の指導法の授業を履修する必要があり、これらの科目について取り扱うべき内容はコアカリキュラムで定められています。

■聴覚障害学生への対応の考え方

さまざまな障害のある学生が履修することを考えた場合、個別のケースにおいて何が本質的変更に当たるか・当たらないかといったことを具体的に示す文書等はありません。そのため、検討会まとめや対応指針等を踏まえて、各大学において、合理的配慮の提供を適切に検討していくことが必要です。