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2025.05.30

授業中の聞き取りにくさを補うための機器活用方法―ノイズキャンセリングヘッドホンの使用―

軽度・中等度難聴で教室内での聞き取りが難しい学生や、騒音下での音声の聞き取りが難しい学生に対して、聞き取りにくさを補うために活用できる方法をご紹介します。
補聴器を利用していなくても活用できる方法です。

ご紹介した機種は大学からの貸出に対応しておりますので、試行したい場合にはPEPNet-Japan事務局までお問い合わせください。(貸し出し期間は最大2ヶ月までとなります)

画像 ヘッドホンを接続した学生と、ロジャーマイクを使用して話をしている学生のイラスト

1.ロジャーシステムを活用して、音声をヘッドホンやイヤホンで聞く

ロジャーシステムのマイク・受信機を活用して、教員やディスカッション中の学生の発言を聞き取りやすくします。

使用機材

  • 送信機:ロジャーマイク(タッチスクリーンやオンなど)
  • 受信機:ロジャー ネックループまたはロジャー マイリンク
  • オーディオケーブルで接続可能なヘッドホンまたはイヤホン
    ※マイリンクとの接続には2.5mm⇔3.5mmの変換コネクタが必要となります。

使用方法

  • ロジャーマイクと受信機(ネックループまたはマイリンク)をペアリングします。
  • ロジャー受信機に3.5mmオーディオプラグのヘッドホンまたはイヤホンを接続します。
    ネックループは3.5mmのオーディオプラグが直接接続できます。
    マイリンクは2.5mm⇔3.5mmの変換コネクタを接続し、ヘッドホンまたはイヤホンを接続します。
  • 音量は受信機とヘッドホンで調整して使用します。

※騒音環境下での聞き取りが難しい場合や、聴覚過敏などにより周囲の音を遮音した状態で聞きたい場合には、「アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能」が付いており、かつ遮音効果のあるヘッドホンをオーディオケーブルで接続し、使用すると良いでしょう。3.ノイズキャンセリングヘッドホンの活用 でも詳しく説明しています。

機器の接続例

画像 ロジャータッチスクリーンマイクとネックループ・ヘッドホンの接続例
ロジャータッチスクリーンマイクとネックループ・ヘッドホンの接続例
画像 マイリンクに2.5mm・3.5mm変換コネクタを接続している
マイリンクの場合は2.5mm⇔3.5mm変換コネクタを使用する

2.市販のマイクシステムを利用する

ビデオカメラやスマートフォン・タブレット端末などど接続して使用する市販のマイクシステムのうち、受信機側にヘッドホン端子が付いているものを使用して、ロジャーシステムと同様に聞き取りやすさを補う方法を紹介します。
一般的には、ビデオカメラ等にオーディオ端子を繋いで音を収録したり、スマートフォン・タブレット端末とUSBケーブルで接続して使用するものですが、音声確認のためのヘッドホン端子が付いている機種がありますので、それを活用します。
なお、受信機側での音量調整が難しい(大きさの変更ができない)機種もありますので、学生さんが聞こえやすいかどうかを確認して活用するようにしましょう。
また、マイクが2個ある機種であれば、グループワークの時などにマイクを回しながら使用することができ、利便性が高いと思います。

使用例

マイク1台・受信機1台のシステム

機種:RODE Wireless ME
https://brandstore.rode.com/ja-mx/products/wireless-me
参考価格:24,750円(Amazon)

画像 RODEマイクシステムの受信機にヘッドホンが接続されている

その他の機種:
SONY ワイヤレスマイクロホン ECM-AW4
 参考価格:26,400円
DJI Mic 1V1FCC
 参考価格:26,400円

マイク2台・受信機1台のシステム

機種:AnkerWork M650 Wireless Microphone
https://www.ankerjapan.com/products/a3320?variant=42974513365153
参考価格:34,990円(Amazon)

画像 Ankerマイクシステムの受信機にヘッドホンが接続されている

その他の機種:
RODE Wireless GO(Gen3)
 参考価格:52,470円
HOLLYLAND LARK M2
 参考価格:17,552円

3.ノイズキャンセリングヘッドホンの活用

軽度・中等度難聴があり教室内や騒音環境下での聞き取りが難しい、聴覚過敏などにより周囲の音を遮音した状態で音声を聞く方法はないか、というご相談をいただくことがあります。
上でご紹介した機器とあわせて、ノイズキャンセリングヘッドホンの活用をご紹介しています。

具体的には、「アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能」が付いており、さらに遮音性の高い(パッシブノイズキャンセリング(PNC))ヘッドホンを、オーディオケーブルで接続して使用する方法になります。
最近はスマートフォンやパソコンとヘッドホンをBluetooth接続をして使用することが多いと思います。聞き取りにくさを補う目的の場合、ノイズキャンセリングヘッドホンを上でご紹介した機器と有線ケーブルを使用して接続することで、マイクからの音が周囲の音が入りにくいノイズキャンセリングされた状況の中で、明瞭に届くようになります。
なお、耳穴に入れて使用するカナル型のBluetoothイヤホンでもノイズキャンセリング効果を得られる機種がありますが、現時点では授業中の使用に適している方法は把握していません。

画像 ノイズキャンセリングヘッドホンが4個並んでいる

注意点

  • 補聴器のように音を増幅させたり、聴力に合わせた調整をして使用する方法ではありません。
  • アクティブノイズキャンセリング機能を使用するため、ヘッドホンの充電が必要です。
  • ノイズキャンセリングヘッドホンを装着中は、周囲の音が聞こえなくなります。マイクを通していない発言には注意が必要です。
  • ヘッドホンの機種により、締め付け感や耳へのフィット感が大きく違います。購入前に試用できるほうが良いでしょう。
  • 実際の授業で使用する前に、ボリュームの大きさや聞こえ方を確認しましょう。ヘッドホン側でもボリューム調整が可能です。

機種の例