サバイバル!「救命ボート」 実践例

2011年にPEPNet-Japanが実施した「聴覚障害学生のエンパワメントモデル研修会」の実践報告を元に作成しています。参考事例としてご覧ください

はじめに講師がサインマイムを用いて救命ボートのあらましについて説明を行った。この部分では、豊かな手話の表現に学生たちは皆釘付けになって見ていた。

 その後、各グループに分かれ、定員各5名のエンジン付き救命ボートとエンジン無し救命ボートについて、誰をどちらに乗せるか話し合いを行った。すべてのグループがホワイトボードを用いてディスカッションし、グループの中には、ホワイトボードを縦半分で区切り、左をエンジン付きボート、右をエンジン無しボートとして、実際に乗船者名とその背景、判断のポイントを整理して書きながら話し合いを進めていたところもあった。

 また、ディスカッション終了後、各グループでどのような結論になったかを全体に向かって発表したが、そのときにもホワイトボードを使用した。発表者のうち一人が手話で話し、もう一人がホワイトボードを指し示すといった、手話がわからない学生が視覚的にわかるような工夫も見られた。

 自分で考えたことを意見として述べ、他者の意見を聞いてグループとしてのひとつの方向性を見出す活動は、その後のプログラムの中で何度も行われる。本企画はそのための導入として実施され、グループ内の多様な言語・コミュニケーションの状況を確認し、お互いがわかるための方法を試すことができたという意味で有意義な時間となった。また、本課題には正解はなく、意見を言い合いグループとしての回答を決めるプロセスを楽しむ企画であったため、どのグループも活発なディスカッションになり、チームとしての結束力も高まったように見受けられた。

活動の様子写真:上からディスカッション時の様子が2枚(いずれもホワイトボードを用いてコミュニケーションを取っている)、発表時の様子1(ホワイトボードを指し示しながら説明)、発表時の様子2(一人が口話、もう一人が手話で説明)

参加者の声

  • 講師のサインマイムは圧巻で、自分もあんな表現ができるようになりたいなと思った。
  • 課題は難しかったけど、グループで力を合わせて話し合うのが楽しかった。
  • 自分の意見と、他の参加者の意見が違ったので、この人はこんな風に考えているんだと知るきっかけになった。

教職員の声

  • サインマイムというものをはじめて見た。あんな表現ができる先生がいたら、学生も手話に親しみがわいてくると思う。

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