プチ工夫集 コミュニケーション

聴覚障害者にとって、職場の悩みで最も大きいのが日常的な「コミュニケーション」でしょう。さまざまなコミュニケーション場面で、聴覚障害のある先輩達がどんな工夫しているのか集めてみました。

私宛の電話がきたときは?

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

先輩が電話を取り、「○○はどうなってる??」と私に聞いてくれる。先輩が言っていることが1回で読み取れれば答えられるが、1回で読み取れなかった時は、「今話が読み取れないので、折り返し電話しますと伝えてください」と言う。いったん電話を切ってもらった後、先輩から聞き、また折り返し電話をしてもらうか、こちらからメールする。

想定される/認められた効果

読み取れないと余計に慌ててしまうので、1回切ってもらった方がお互い落ち着いて話が出来、話もまとめやすい。また、繋がったまま相手を待たせすぎることもない。

社内で円滑なコミュニケーションをとるには?

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

聴覚障害者についてよく知らない人たちと共に働くにあたって、社内での円滑なコミュニケーションを図る一歩として、基本的な挨拶(おはよう・ありがとう・すみません・お疲れ様でした等)や仕事に関する簡単な手話(コピー・会議・ファイル 等)を教えた。(会議の初めやランチタイムを使っての手話講座等で)

想定される/認められた効果
  • 同僚が簡単ながらも手話を交えるようになってきて、少し距離が縮まった。
  • 社内に手話で挨拶をする雰囲気が広がっていった。

どうしても自分が来客等の対応をしなければならないときは?(1)

(自分と直接やりとりしている仕事上の相手等)

  • 相手の言っていることがかなり聞き取れなかったとき
  • 相手の声がかなり聞き取りにくい場合

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

ちょっと会話をしてみて、これは厳しいという印象を持ったら、会話の途中で「いやー、最近、補聴器の調子が悪いのか?聞き取りが悪い気がしているんですよね。(または、最近、聴力が下がっているようなんです) 何回も聞き直してしまってすみません」などという。できればそれは大事な内容になる前が望ましい。会話の後、必ずお礼をいう。

想定される/認められた効果

相手の言っていることがわからないのは仕方ないが、会話が成り立たないほどわからないのでは仕事に支障がある。無関心だから何回も聞き返している訳ではなく、個人的な事情だと伝えることで誤解はなくなる。

どうしても自分が来客等の対応をしなければならないときは?(2)

(自分と直接やりとりしている仕事上の相手等)

  • 相手の言っていることがかなり聞き取れなかったとき
  • 相手の声がかなり聞き取りにくい場合

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

期日や場所、お名前等を聞き間違える、勘違いする、というのは仕事上ありえない。そこで、重要なポイントについては、メモを取りながら会話をする。必ず相手にそれを見せながら、確認をする。

想定される/認められた効果

メモをすれば、あとで聞き間違えたかも…とわからなくなることもないし、それを相手と共有して確認することで、間違いを防ぐことができる。

おしゃべりが読みとれないときは?

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

話が中途半端にしか読み取れなかった時、「もう一回言ってもらえますか」と言うよりは、「もしかして○○ですか・?」と聞いてみる。

想定される/認められた効果

聞いた内容が合っていればスムーズだし、間違っていたとしても、「あ、違ったんですか、口の形が似てたもんで・・・たはっ」といった感じで言えば、気まずい雰囲気にはならない。逆に、先輩から「確かに口の形似てるかも!へぇ・、そういうこともあるんだね、気がつかなかったわ」と言ってくれることもよくある。

情報を確実に把握するには?

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

デスクに、常にメモ帳(裏紙)を置いておく。
業務について話すときは、メモを使用していただく。もしくは、PCのメールを活用していただく。

想定される/認められた効果

自身の読み取りは誤った情報で認識する恐れがある。視覚的に見て理解できることと、後日、意見の相違(指示間違い)などが起きてもメモを見ながら内容を確認することができる。

SNSの活用法は?

情報提供者 教員

プチ工夫の内容

職場の人々とリストやグループを作り、日常の様子を伝えることで私がどのように生活しているのかを理解してもらう。そのために自分の身元を明るみに出さざるをえない。
また職場の人々の投稿にコメントをなるべく入れて仲よくなるようにする。

想定される/認められた効果

挨拶する時の雰囲気が柔らかくなったり、Twiterなどの内容を会話の話題に活かすことができた。

同僚とのコミュニケーションは?

情報提供者 教員

プチ工夫の内容

普段接触している同僚に確認できる事項であっても、あえて接触の少ない同僚に仕事関係の相談や話し合いを行うようにする。若干仕事の内容がわかる場合でも確認等で行うようにする。

想定される/認められた効果

お互いにすっと違和感なくコミュニケーションを図る関係ができる人が増えた。

音声での会話を学ぶには?

情報提供者 一般企業

プチ工夫の内容

ジャンルを問わず対談集は意識して買う(読む)。

想定される/認められた効果

音声情報での会話(対話)の流れなどを学ぶことができる

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