高等教育機関に学ぶ聴覚障害学生への支援― 大学は、教職員は何をなすべきか?人的サポート・IT支援・情報技術 ―
去る12月16日(金)メディア教育開発センター、筑波技術大学、日本学生支援機構の共催により、聴覚障害学生支援担当者研修セミナーが開催されました。全国から集まった約50名の参加者の中には、実際に聴覚障害学生支援を担当している事務局員も多く含まれ、聴覚障害学生のおかれた現状や最新技術を用いた支援方法について熱心に学ぶことができました。
PEPNet-Japanでは、本研修セミナー開催にあたり研修プログラムの作成や講師の派遣に協力をさせていただきました。また、会場の展示コーナーにはこれまでの取り組みの成果物を資料として展示し、参加いただいた方に広く情報提供をすることができたのではないかと思います。ご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。
2005年12月20日
PEPNet-Japan事務局
当日の様子
PEPNet-Japan展示
当開催要項
高等教育における障害者への学習支援は、現在各地の大学で行われはじめており、特に、大学に学ぶ聴覚障害学生への支援については、障害学生支援センターの設置、職員としての手話通訳者の採用、情報技術を活用した支援実践などによって、従来の学生自身の努力によるサポートから、大学の手による積極的な支援へと大きな変貌を遂げつつある大学も増えてきています。しかしその一方で、聴覚障害学生の受け入れにあたって、教材の準備、教授法、事務連絡等について、教職員が苦労しながら手探りで支援を行っている大学も少なくありません。
本研修講座では、こうした全国の大学の実態を把握するとともに、まず大学における聴覚障害学生支援のスタンダードとして広がりをみせつつあるノートテイカー派遣システムに焦点をあてます。大学での事例から現状と課題を知るとともに、講義で実際に用いられているノートテイクの模擬体験を通して、聴覚障害学生の置かれた状況を学びます。その上で、今後さらなる発展が期待されるITや情報技術を活用した聴覚障害学生支援について、国内外の最先端の実践を元に情報交換を行い、よりきめ細かな支援体制の構築に向けて、大学および教職員がなすべき取り組みについて学びたいと思います。
主催 | 独立行政法人 メディア教育開発センター 国立大学法人 筑波技術大学 独立行政法人 日本学生支援機構 |
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対象 | 全国の大学、短期大学、高等専門学校などの高等教育機関において、障害者への学習支援に関係する教職員等 |
参加者 | 約50名 |
日時 | 2005年12月16日(金) 10:00~16:00 |
会場 | 日本学生支援機構 東京国際交流館プラザ平成 会議室1 |
プログラム
趣旨説明
司会:広瀬洋子 NIME助教授
<午前の部> 「ノートテイクの現場から」
司会:長南靖 日本学生支援機構
◆大学におけるノートテイカー派遣システム構築事例 太田晴康 静岡福祉大学助教授
◆聴覚障害学生の置かれた状況 -ノートテイク体験- 松崎丈 宮城県・仙台市聴覚障害学生情報保障支援センター代表
<午後の部> 「情報機器を用いた聴覚障害学生支援」
司会:根本匡文 筑波技術大学
◆遠隔地情報保障システム 内藤一郎 筑波技術大学教授 三好茂樹 筑波技術大学助教授
◆音声認識技術を用いた講義保障のあり方 金澤貴之 群馬大学助教授
◆同時同期型自動字幕システム 大倉孝昭 大谷女子大学教授
<まとめ>「高等教育機関に学ぶ聴覚障害学生への支援」
-大学は、教職員は何をなすべきか?- 白澤麻弓 筑波技術大学助手