2011年にPEPNet-Japanが実施した「聴覚障害学生のエンパワメントモデル研修会」の実践報告を元に作成しています。参考事例としてご覧ください

研修会の初日、一番最初のプログラムとして実施したのがこの「他己紹介」である。学生たちはこのときに初めてグループに分かれて活動することになったが、相手チームついてより多くの情報を引き出すという目的を共有できたことで、初対面であってもチーム内で協力しあい、積極的にコミュニケーションをはかることができたのではないかと思う。

チームによっては、事前の作戦タイムにホワイトボードを用いて話し合い、相手チームに対して以下のような質問をするよう計画を立てていた。このように、質問を分担することで、短時間で効率よく情報を収集・整理することに成功していた。

質問 担当
1. 出身地 Mさん
2.大学、学年
3.趣味 Kさん
4.スポーツ
5.好きな動物 Nさん
6.好きな食べ物
7.好きな有名人、芸能人 Cさん
8.手話歴
9.キャラクター Sさん
10.好きな本

情報を整理する段階では、手話がわからない学生にも発表の内容がわかるよう考慮し、全てのグループがホワイトボードやミーティングシートに書き出し、発表時もこれを活用していた。

他己紹介を通して、お互いの人となりを知るという目標を達成するとともに、手話を使う学生もいれば口話・筆談を用いる学生もいるという多様性のあるグループ内のコミュニケーションを確認し、お互いがわかる方法を確認することができたのではないかと言える。

「他己紹介」の様子:上からグループでの話し合い、情報収集場面、発表の様子、発表を聞く学生

参加者の声

  • お互いのことを知るいいきっかけになった。
  • 班の全員とすぐ打ち解けることができたので良かった。
  • グループ一人ひとりの紹介から共通点で盛り上がるのが楽しかった。
  • 他の人の名前等を積極的に覚えようとするきっかっけになった。
  • ミーティングボードを用いて、それぞれの班がどのように他己紹介を行ったかの過程が見えて良かった。
  • 楽しくみんなのことを知ることができた。
  • 他己紹介することにより、さらに耳を傾けることができるので良かった。

教職員の声

  • 今のことを考えるためには、一歩先のことがイメージできないと考えられないものなのだということをプログラムの随所で感じた。そこまでのかかわりが大学としてはできていなかったと思う。
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