畠山修氏(専門学校・指導主任)

社会で活躍する先輩達

北日本医療福祉専門学校 学校指導主任

畠山 修(はたけやま おさむ)氏
OSAMU HATAKEYAMA

畠山修さん写真

プロフィール

高校までの教育歴:ろう学校+普通学校

4歳時に流行性耳下腺炎により、両耳の聴力を全て失う(両耳とも100dB以上)。その後宮城県立聾学校幼稚部に在籍し、小学校入学同時にインテグレートを経験、小学校時代は難聴学級に在籍。当時の難聴学級は口話法教育の全盛期であり、授業時間の殆どが口話法の練習に費やされていた。

出身大学名・専攻:東北福祉大学大学院 総合福祉学研究科社会福祉学 修士課程精神保健臨床分野

職場名・肩書き:北日本医療福祉専門学校 学校指導主任(担当科目:心理学、コミュニケーション技術、社会と制度の理解、介護福祉論等)

INTERVIEW

― 現在の仕事の内容、活動のご様子をお聞かせください。

介護福祉科・薬業科において、発達心理学やコミュニケーション技術、障害者法制度等の講義を受け持つ傍ら、学生の就職・進学指導を担当し、論作文・面接・就職活動支援を中心とした業務に携わっています。また、学生の心の悩み相談なども常時受け付けています。

― 職場で何か工夫されていることはありますか。コミュニケーションで困難を感じるとしたら、どんな時ですか。その時どう対処していますか。

勤務当初は、電話応対や来客応対など音声による業務の困難性に対して職場の理解を得る事に苦労しました。どのような場面でどのように聞こえないのか、どのようなサポートが必要なのかを説明するために独自の説明プリントを作成し、職場に配布する事でサポートを得られるように工夫しました。

また、講義を勧めるにあたり学生とのルールを明確にしています。(1)講義中に音声放送が流れている場合は直接紙に書いて伝える(2)号令は手話で行う(3)教員と会話をする時はマスクを外すといった共通認識を図っています。同時に自分が有する障害について、いかに周囲に分かりやすく説明していくかという障害者としての義務を痛感しました。

― 仕事以外、地域活動、ろう・難聴関係の活動をされていましたら、内容を教えてください。また、その活動の魅力などについて具体的に教えてください。

夏休みや冬休みなどを利用して、他教育機関への講演や聴覚障害学生の進路相談、手話講座を行っています。学生時代は宮城県聴覚障害学生の会に所属し、地域の情報保障支援体制の構築に取り組んでいました。講演内容はライフストーリーや障害者の心理、法制度など多岐に渡りますが、一人でも多くの方に学ぶことの素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

― これまでで一番心に残っている出会いや出来事があれば、お聞かせください。

高校時代の担任の先生に出会えたことが人生で一番心に残っています。勉強や教員に対する苦手意識を払拭し、解るまで徹底的に勉強を教えてくれたことが、教員を目指すきっかけとなりました。今でもその先生の後ろ姿を追い求めています。それも聴覚障害があるからこその出会いであり、今となっては聴覚障害に感謝しています。

― 次世代を担う若者達にアドバイスやメッセージをひと事聞かせてください。

『最初は恥ずかしく、次に向き合い、そして最後に宝物となる。』

それが私たちが持つ聴覚障害です。聴覚障害と向き合う過程で出会った人たちや経験は、かけがえのない宝物になります。その宝物をいくつ持ったかによって自分の夢の実現具合も変化していき、多く持てれば持つほど大きなものになります。 挫折や失敗を恐れずに、若いうちからチャレンジできることに取り組んで行って欲しいと思います。

北日本医療福祉専門学校は、岩手県の盛岡駅西口前にありますので何か悩み事などありましたら遠慮なく遊びに来てお尋ねください。皆さんが抱える悩みは聴覚障害者全体の悩みでもあります。様々な方々の経験談を聞きながら自分の人生の積み重ねとしていってください。

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