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2026.04.14

語学授業の支援⑤:授業担当教員による配慮

授業における支援は、文字情報などの情報保障をおこなったり補聴援助システムなどの支援機器を活用するだけではありません。聴覚障害のある学生が支援を利用しながら授業に参加するためには、授業を担当する教員が、学生の状況を把握しながら授業を進めることが大切です。「支援があれば安心」と考え、何の配慮もなく早口で授業を進めてしまえば、文字入力が追いつかなかったり聞き取りづらくなり、かえって参加しづらい状況が生じてしまいます。外国語を扱い、さまざまな活動も取り入れながら進む語学の授業では特に、教員が配慮して授業を進めることが聴覚障害学生にとっての助けになります。授業の方法に応じて、以下に挙げる例を参考にしてみてください。

授業中の配慮の例

  • パソコンノートテイクや音声認識のツールなどを用いて文字による情報保障を配置している場合は、教卓にもモニターを置くなどして、文字情報がきちんと提示されているか確認しながら授業を進める。
  • 外国語のテキストを読み上げたり、原文について解説したりする場合は、教科書や資料の該当箇所を示したり原文を板書するなどして、視覚的にも把握できるよう配慮する。
  • 学生が全体の前で発言する場合には、学生にマイクを使って発言させる、前に出て発言させる、発言内容を教員が復唱するなどして、支援者に学生の音声がきちんと届くように配慮する。聴覚障害学生が補聴援助システムを利用している場合にも、補聴用マイクを渡す、教員が復唱するといった方法は聞きやすさを高める環境整備として有効。
  • グループワークやペアワークの際のメンバーを調整する。たとえば、日頃から聴覚障害学生とのコミュニケーションに慣れていてる学生や、手話ができる学生と組めるようにすると、お互いの音声や口形に慣れているため口話でのやり取りがスムーズになったり、ちょっとした会話を手話や筆談でこなすことができ、活動時の安心につながる場合がある。
  • 補聴援助を活用したり補聴器で音を聞き取って授業に参加している学生の場合、複数のグループやペアが同時に話す活動場面は非常に聞き取りづらい環境となるため、教室内の他のグループと少し離れた場所を確保したり、そのグループだけ隣室に移動して活動できるようにする。
  • グループ活動やペアワークの際に筆談を交えたり言い直しをしながら進める場合、活動時間が短く区切られると十分な活動時間が確保できない可能性があるため、ワークの時間を少し長めに設定する。
  • グループワークや質疑応答の際、情報保障や補聴援助を活用してグループメンバーの発言内容を掴むことができるとしても、複数名の会話の中でタイミングを見て発言機会をとることは非常に難しいため、自由挙手だけでなく、教員や司会担当者が聴覚障害学生を指名して発言機会を確保するなどの調整をする。

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