活用しよう!「地域のリソース」
聴覚障害者にとって役に立つ地域のリソース(社会的資源)には、様々なものがあります。在学中であれば、同じ聴覚障害の学生と情報交換や相談がしたければ「ろう学生懇談会」がありますし、就職活動の時にはハローワークが役に立ちます。就職後壁にぶつかったときには、地域のろうあ者相談員や聴覚障害者団体が力になってくれるでしょう。しかし、聴覚障害学生は、これらの地域のリソースを学ぶ機会がなかなかなく、在学中または就職後に孤立してしまうケースがあります。地域のリソースを学び、活用することは、聴覚障害学生のエンパワメントにつながるのです。
◎ ねらい
- 聴覚障害者に関する地域のリソースを知り、在学中及び卒業後に活用できるようにする。
◎ 時間
30分
◎ 役割及び人数
役割 | 人数 | 留意点 |
---|---|---|
司会 | 1名 | 聴覚障害者の大学生活と社会生活の両方に精通している人が望ましい。 |
講師 | 1名 | 地域の聴覚障害者福祉、リソースに精通している者が望ましい。 |
受講者 | 制限なし |
◎方法
詳細は指導計画を参照
<進め方>
1.司会から概要の説明をし、講師を紹介する。
2.講演(20分間)
・講師の経験から、地域のリソースを活用することの大切さや、実際に活用してきたリソース
について説明する。
・具体的に地域にどのようなリソースがあるか、活用場面とともに紹介する。
なお、学生が研修会開催地の出身であるとは限らないため、全国的に共通しているのか、
その地域限定なのかも分けて紹介できるとわかりやすい。
3.質疑応答
◎留意点
- ビジョンはできるだけ具体的に想い描くことができるよう、「その時の自分はどんな職場で働いている?」「会社には何人ぐらいの人がいる?」「同僚はどんな人?」「あなたがしている服装は?」など、さまざまな質問を投げかけ、イメージの構成を手助けする。
- 講師・アシスタントは、指導教材の中のキャリアデザインワーク発問シートに記載された発問内容を頭に入れ、参加者の想いを引き出せるよう随時質問を行う。
- 発表時には、学生の記入したシートを書画カメラを用いてスクリーンに投影し、全員がわかるような方法で発言するよう伝える。
- 発表後のフィードバックでは、学生の自発的な発言をうながすとともに、発表に対して一切批判を行わないことをルールとする。
- 最後に、「この日集まった学生達ひとりひとりの生き方が、これからの聴覚障害者のモデルになる」ことを伝え、自信と自覚をもって取り組んでもらえるよう励ましたい。
- 終了後は、それぞれの目標の進展具合を確認できるようSNSサイトやMLでの情報共有をうながしたい。
指導計画
実際の研修会で利用できる指導計画案を掲載しています。ご自身の大学の状況に合わせて、適宜アレンジしてご利用下さい。
→PDFファイルのダウンロード
教室配置
情報保障
手話通訳、パソコン文字通訳
進行・展開
- 概要の説明・講師紹介(5分)
- 講演(20分)
・ 社会生活の中で主体的にコミュニケーション支援を活用することが望ましい場面は?
・ 聴覚障害者に関する福祉制度にはどのようなものがあるか?
・ 大学卒業後にどのようなリソースが活用できるか?
例えば、
Q.職場の問題でつまずいた時には誰に相談すれば?
Q.卒業後の就職活動で利用可能な地域のリソースは?
Q.聞こえない仲間がほしいときはどこに連絡すればよいのか?
・・・など - 質疑応答(5分)
留意事項
全国で共通することと、地域特有の情報を分けながら説明する。
指導教材資料
- スライド資料
指導教材
実際の研修会などで使用されたスライドを掲載しています。参考までにご覧ください。
プレゼンテーション資料
※こちらの資料については、無断借用、再配布はご遠慮ください。