講座当日に行った質疑応答の内容と、講座修了後にいただいた質問への回答を掲載します。限られた時間で手短に回答したものには、補足をしてあります。

Q1.支援の利用に対して消極的な聴覚障害学生に対しては、どのように働きかけたらよいのでしょうか。事例があれば教えて下さい。

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

これについては、「情報保障の意義と聴覚障害理解」の中でも触れていましたので、ここでは、コーディネートする側で留意することをお答えします。
「情報保障を付けたくない」という学生に対しては、少しずつコミュニケーションをとっていくことが重要です。同じく聞こえない先輩や友達でノートテイクを利用している学生がいたら、「案外あるといいよ」と、さりげなく勧めてみるといった働きかけが大切です。
中でも、特に困っている授業があれば、「その授業だけ、一度でいいから付けてみない?」と勧めることから始めます。
「ノートテイクを利用しないのはいけないことだ」という立場をとるのではなく、他の聞こえない学生がノートテイクを利用している背景には、ノートテイクが便利なものだという理由があるからではないか、と徐々に本人が感じ取っていけるような関わり方をしていくことです。
そして、この次が大事なポイントです。利用学生にはじめてノートテイカーを派遣するとき、ノートテイカーはできるだけきちんと書ける人を派遣してください。最初の印象として、少しでも「ノートテイクを付けたらいつもよりわかった」という感触をもってほしいからです。講義がいつもよりわかったとか、おもしろくなってきたという感覚が持ててこそ、利用する数を増やしてみるという次のステップに進んで行けるのです。

質疑の様子(瀬戸氏)

Q2.聞き漏らしたり聞き違えた可能性のある単語について、「?」をつけたり「(空欄)」で開けたままにしておくことが本当にいいのでしょうか。文として完結したものを伝えたほうが読みやすいのではないですか。また、そのように空欄にしてある部分については、誰が質問しに行くのでしょうか。

A.吉川あゆみ(関東聴覚障害学生サポートセンター)

単語を聞き漏らしために「?」を付けるという対処ですが、おそらく地域の要約筆記ではこのような方法を使うことは基本的にはないと思います。こういった曖昧な表記は使わないというのが一般の要約筆記者の中では常識なのではないでしょうか。
しかし、大学という場におけるノートテイクでは、その「?」もぜひ使って欲しいと思っています。大学というのは学習の場であって、最終的にレポートや試験があるということを考えると、やはり授業中には欠かしてはならない情報というのがあるわけです。
もし、その情報を聞き漏らしたにもかかわらず、空白部分や「?」も記載されない状況になると、聞こえない学生にとっては「情報が漏れた」ということすら伝わらないわけです。そうなると、わからない部分を先生に聞きに行くきっかけすらつかめなくなってしまいます。
これに対して、もし下線等の表記があれば、それによって、聞こえない学生は「ここにも何か情報があったんだ」ということがわかり、自分で友達に聞いたり、先生に確認するなど、何らかの対処をすることができるのです。そのため、いくら読みやすい文章になっていたとしても、情報に漏れがあり、かつ下線や「?」がない場合のほうが、利用学生にとってはノートテイカーに対する不信感につながる可能性があるのではないでしょうか。
教員の話は早くまた難易度も高いので、書き漏らしたこと自体には、ノートテイカーに責任があるとはいえないと思います。ノートテイクにはどうしても限界があり、こうした情報の漏れは避けることができないからです。
けれども、もし書き漏らした後、情報が漏れたということが伝えられず、利用学生がまったく気づかないままその問題がテストに出て、学生が答えられなかったとしたら、その責任はノートテイカーにあると言っても良いのではないかと思います。ですから重要な情報が書ききれなかったと感じたときには、必ず書けなかったということも情報として伝えてほしいと思います。
しかし、単語ではなく段落などのまとまりがごそっと書けないことが続くようなら、聞き取りの練習をするとか、書く練習をするとかもう少し訓練が必要となるのではないかと思います。

質疑の様子(吉川氏)

Q3.ノートテイクのルールやマナーに関して、利用学生として気をつけなければならないこととは、具体的にどういうことですか?

A.吉川あゆみ(関東聴覚障害学生サポートセンター)

これについては、「大学ノートテイク入門」のP127に細かい情報が書かれているので、ぜひ、そちらをご一読いただければと思います。
基本的にはノートテイクされたノートを、自分のノートのように友達に貸したりしないとか、通訳は自分が個人的に依頼するのではなく、コーディネーターを通して頼むものだよというようなことです。その他いろいろなルールが書かれているので、参考になれば幸いです。

Q4.ノートテイクの例の中で、カタカナの言葉に下線が引いてある箇所がいくつもありました。これは漢字の言葉をわざとカタカナで書いたという意味ですか?漢字で書く必要はないのでしょうか。

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)

時間を有効に使うため、画数の多い漢字の言葉はカタカナで書き、下線を引いて「本来は漢字で書くべき言葉です」というマーキングをする方法が、大学のノートテイクではよく用いられます。読みやすさの観点で言えば、すべて正しい漢字で書かれているほうがカタカナ書きよりも見やすいのは確かですが、ノートテイクの現場では、“少しでも遅れずに1文字でも多く書き伝える”ことが最優先される場面のほうが、多いのではないでしょうか。
同音異義語や初出の言葉はできるだけ漢字で書いたほうが伝わりやすい場合もありますが、情報量を増やすために、カタカナ書きは有効な方法と言えます。
このほかにも、遅れずに書くための方法があります。「大学ノートテイク入門」P59~にその一例が載っていますので、参考になさってください。

Q5.「ノートテイクの実際」の見やすい座席位置について説明では、2列目に座っている図がありました。いつも最前列に座るようにしていましたが、2列目のほうが見やすいのでしょうか。

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)

説明の中でお伝えしたかったのは、「聴覚障害学生にとって、もっとも見やすい席はここ」という1つの答えはない、ということです。教室の広さや形、窓の位置、使用する教材、先生の声の大きさ、受講する学生の数、様々な要因によって見やすい座席は変わってきます。
一番前で先生の様子が良く見えたほうがよい場合もありますし、他の学生やビデオ、OHPが広く視野に入る席がよい場合もあるでしょう。 聴覚障害学生本人はもちろん、ノートテイカーは、先にあげた様々な要因から総合的に判断していくことが求められます。

Q6.芸術系の大学で、写真や美術の作品を合評する授業があります。芸術を専門としていないノートテイカーの場合、専門用語が話されてもうまく伝達できません。こういった実習でのノートテイクは、どんな方法を取ればよいのでしょうか。

A.太田晴康(静岡福祉大学情報福祉学科)

このような実習の場合、授業の中身によってかなり対応は異なり、個別的になるのではないでしょうか。 今、この場でお答えできるのは、1つはテイカーだけが情報保障の責任を負うのではなく、まずは教員の配慮が必要ではないか、ということです。
例えば、授業の進め方として、複数の人が一斉に発言することがないよう進行の交通整理をすることも重要です。あるいは、情報保障手段として手話通訳が適当なのか、テイカーがいいのか、両方必要なのかといったことを、学生とのコミュニケーションを通じて決めていくことも必要だと思います。
その専門分野の知識が必要とされるという点については、ノートテイクの担い手を、研究室の院生や研究員に依頼するというのも1つの方法かと思います。
こういった分野での情報保障の経験がある方は、ぜひPEPNet-Japanに情報をお寄せください。事務局で情報を集約し、ホームページ等で発信していきたいと思います。

質疑の様子(太田氏)

Q7.音声認識による情報保障について教えてください。

A.白澤麻弓(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター)

音声認識の認識率は、以前と比べ格段に向上しています。今のところ、きちんとトレーニングをして、機械にあわせた話し方をすれば、90~95%の認識率がでるといわれています。但し、90%ということは、1割、つまり10文字に1文字は間違いが生じるということなので、この数字には注意が必要です。さらに、音声認識では人間による入力では有り得ないような間違いを起こします。そのため、音声を聞きながら見ている人にとっては、そこそこ文字情報が伝わっているので大丈夫ではないかと安心しがちなのですが、実際には機械任せで情報を伝えるのは難しく、そのまま情報保障手段として用いることは避けてもらいたいのが現状です。
しかし、だからといってまったく用いることができないかというとそういうわけではありません。今、実際に有望な方法として試行的にいくつかの大学で用いられているのは、話を聞きながら音声を復唱して機械に伝えるオペレーターと、そこで出てきた誤認識を修正する修正担当の2人を間にはさんで字幕を作成するという方法です。これであれば、認識率が上がるだけでなく、最終的に人間の目を通す形になるので、安心して情報保障を行うことができます。
いずれにしても、吉川の報告にあったとおり、きちんと情報保障の質を評価できるろう学生、支援者、専門家があってこそ生きてくる技術であり、またその3者がそろっていればすばらしい可能性を秘めた技術でもあるので、今後の発展が期待されます。

質疑の様子(白澤氏)

養成方法やノートテイク技術に関わる質問

Q8.通訳作業でのつまずきの例で、「文で書くことができない場合」というのがありました。
具体的な指導方法を教えてください。(大学職員)

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)

ノートテイクの書き方を指導する際に、書き終わった後の紙面を見て説明するだけでは、なかなかピンとこない受講生も多いと思います。そこで、単語の羅列や箇条書きで留まっている受講生に対する指導方法の一例として、経験のあるノートテイカーが話を聞きながらノートテイクしている過程を、実際に見る、という方法が挙げられます。書き終わったノートではなく、書く過程を見ることで、コツがつかめる受講生も多いようです。
練習を組み立てる際には、初めはゆっくりとした短くわかりやすい談話から入ると段階を踏んで練習ができます。また、他の受講生や先輩が書いたノートテイクを、交換して読みあう機会を利用して、書き方の工夫を学びあう時間も大切にしたいものです。

質疑の様子(中島氏)

Q9.聴覚障害学生へのインタビューDVDの中で、「ノートテイクではボーっとしてしまうけれど、パソコンテイクだと考えながら授業に参加できる」という感想がありました。2つの手段の間で、なぜそういった違いが出るのでしょうか?(大学職員)

A.吉川あゆみ(関東聴覚障害学生サポートセンター)

その聴覚障害学生へのノートテイクを実際に目にしたわけではありませんが、一般論としてお答えしたいと思います。
通常、人が話す速さは、NHKアナウンサーなら1分間に300字~400字程度とされています。手書きのノートテイクでは、1分間約60~80字を書き取るのに対して、パソコンテイクは1分間約120~180字入力することが可能になります。聴覚障害学生にとっては、手にする情報量が飛躍的に増えますので、手書きに比べて必要な情報を自ら取捨選択でき、「授業に参加している」という実感がより持てるのでしょう。
私自身の経験を振り返っても、パソコンテイクはどんどん話が進んでいきますので、手書きのノートテイクにありがちな「待ち時間」が大幅になくなり、自分のノートを作るのに忙しくなりました。この忙しい楽しさこそが、授業を受ける楽しさであり、「自分はどうしてここにいるのだろう、学校に行く意味があるのだろうか」と考えることがなくなったように思います。

Q10.外国語の授業で、先生が外国語を話した場合、その部分はどのようにノートテイクをすればよいのでしょうか。スペルが全部わかるわけではないので、カタカナで書くしかありません。それでどこまで伝わるのかと不安です。(ノートテイク指導者)

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)

聞こえない学生が語学の授業を受ける場合のサポートの視点として、3つのことが挙げられます。
1つは、履修登録の段階で、授業の進め方や内容について確認を行うことです。特にリスニングやオーラルコミュニケーションに重点を置く授業については、、受講するに当たってどんな配慮が必要かを検討します。授業の進め方を工夫してもらうことで、受講しやすくなるケースも多くあります。場合によってはリーディングやライティングの授業に振り返るなどの対応も考えられるでしょう。
2点目は、ノートテイカーの募集方法を工夫することです。その語学に長けた専門の学生や、その言語を母語とする留学生に的を絞って支援者を募り、外国語が話されたときも対応できる体制を作れることが望ましいでしょう。
3つ目が、ノートテイクの方法の工夫です。授業の進め方に応じて、2人のノートテイカーで分担方法を決めておきます。例えば、外国語、日本語が交互に話される場合は、1人は日本語担当、もう1人は英語担当とする、などです。
但し、ノートテイク方法を工夫するだけでは限界があり、ノートテイカーの負担が大きくなってしまうケースも考えられます。できるだけ上記2点の視点で、聞こえない学生が受講しやすく支援者が支援しやすい環境を作っておくことがポイントとなるでしょう。

派遣コーディネートに関わる質問

Q11.ノートテイクを行う際、同じ科目の履修者は担当すべきでないという意見があります。支援学生が、自分の成績不振の理由をノートテイク支援のせいにするからとのこと。実際はどうなのでしょうか。(大学職員)

A.中島亜紀子(関東聴覚障害学生サポートセンター)

通訳(ノートテイク)に集中していると、授業の内容が頭に入りにくく、もちろん自分のノートを取ることもできません。逆に、授業を受けることに専念すれば、ところどころの情報を伝えるだけのノートテイクに留まらざるを得ません。このように、聞こえる学生にとって、授業を受けることと情報保障にあたることを同時に両立するのはきわめて困難なことなのです。同じ授業の履修者に、ノートテイカーとしての役割を求めるということは、その学生がその授業で学ぶ機会、学ぶ権利を奪うことにつながります。ですので、結果的に成績不振につながったとしても、その学生本人を責めることはできません。
そのため、コーディネートにあたる職員の方はノートテイクや通訳の役割を十分知っていただき、情報保障に専念できる支援者の配置を心がけていただきたいです。
また、ノートテイカーの欠席などでやむなく同じ授業の履修者の協力を得る場合は、履修者自身の受講が可能な範囲で、支援できる方法を取るようにします。具体的な方法については、聴覚障害学生からきちんと伝えるようにしましょう。

講義の様子(田中氏)

Q12.ノートテイクは2人で担当しますが、一方が体調不良などで休み、交代の人も手配できない場合、どうしたらよいのでしょうか?(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

原則として、1人では派遣しないようにしています。1人で90分を書き続けることは、ストレスも大変大きく、また手を痛める原因にもなり、テイカーにとっては大きな負担となります。また、授業の担当教員が、「ノートテイクは1人でもできるもの」と誤解してしまうことも、デメリットの一つです。
一方の欠席などによりノートテイカーが派遣できない状況になった時は、利用者自身と支援担当者双方から「今日は、ノートテイクが付いていない」ということを担当教員に伝え、理解と協力を求めます。「テイカーが不足している現実」を知ってもらうきっかけにもなるでしょう。
このように、何か起きた時の対処や対応の基準のようなものを作っておき、テイカーと利用者、教員の共通理解を、整えておくことをお勧めします。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)

交代要員も見つからず、やむなく1名派遣になる場合は、そのことを、利用者ともう1人のテイカーに伝えます。その上で、テイカーには、「1人で90分のノートテイクになるので、要約しながら腕に負担がかからないようにお願いします」と伝えます。利用学生には、「テイカーが1人になるため、2人の場合よりも要約した情報になりますが、ご理解、ご了承ください」というメールを同報で送ります。こういうケースはよくあるので、他の非常ケースと含めて、日ごろから対応方法を伝え、確認しおくことが大切です。

Q13.ノートテイカーの人数について、一人の利用者に対して何人くらいいれば回していけますか。(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

単純に計算すると、利用者が週10科目履修する場合、1科目に2人を派遣しますので20人です。1人のノートテイカーを週2回派遣するならば、10人となります。ただ、体調不良で休んだ際の交代要員や、空き時間が合わなかった場合の調整を考慮すると、15人程度確保できているのが良いかもしれません。これは単純な人数の算出です。
しかし、ノートテイカーの空き時間や技術の習得度によって、1週間に活動できる時間数は変わってきますし、利用学生の人数や専攻によっても必要な人数は変化していきます。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)

現在、同志社大学で障がい学生支援制度を実際に利用している学生は4人です。ノートテイクを必要としているコマ数については、学年や学部、免許取得の有無によってもコマ数が異なるので一概には言えません。ノートテイカーの人数については、基本的に1コマあたり2人を派遣、1人のノートテイカーの1週間の派遣数は上限3コマ程度として必要人数を確保し、派遣しています。

Q14.人数の確保と質の維持で、考慮すべき点があれば、教えてください。(大学職員)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

まず、人数の確保のためには、早めに準備をすることが大切です。4月になってからでは、オリエンテーションや入学式など授業以外の対応も必要になり、間に合いません。そのため、前年度の後期あたりから確保しておくという長期的な計画が効果的です。
質の維持については、身に付けた技術が夏休みや春休みなどの長期休業中に下がってしまわないよう、学習会などを企画するのが効果的です。 また、利用学生の履修科目が専門的になるほど、同じ専攻に所属するノートテイカーの専門知識が生かされ、ノートテイク活動の助けになります。ノートテイカーを集める際に、利用学生と同じ専攻から意識して確保するようにしておくこともポイントになります。

A.土橋恵美子(同志社大学学生支援センター)

人数の確保は非常に重要です。学期の始まる直前から募集を始めたのでは間に合いませんので、派遣調整が落ち着く6月、7月、11月、12月など、時期を選んで集中して講座を設ける必要があります。また、夏期休暇を利用した集中講座もよいでしょう。この際、学内の学生がよく目にする掲示板などで募集の呼びかけを繰り返したり、個別講習を積み重ねることが人数の確保につながります。また、利用学生やスタッフの個人的な呼びかけも効果を発揮することがあります。
質の維持は、利用学生がどのようなノートテイクを求めているのかを常に確認しながら、専門的な授業、話すスピードの速い授業、語学など様々な授業を録音し、テイクの練習をします。利用学生や経験の深いテイカーとともに、評価を行い、意見交換をすることで、多くの気づきがあり、スキルアップにつながっていきます。

Q15.利用者とノートテイカーの意見交換が必要だと感じていますが、そういった意見交換の場はどのくらいの頻度で設ければよいしょうか?

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

頻度は、大学大学の状況で、違ってくると思います。例えば、5月くらいに最初の顔合わせをして、お互い学部と名前くらいはわかるようにしておきます。学期後、次の学期のために、意見交換の場を設定するという流れを作るとやりやすいのではないでしょうか。
具体的な話し合いを行うためには、雰囲気作りが必要です。いきなり「話し合いましょう」と言って集まっても、なかなか意見を出し合うのは難しいものです。最初は、現行のノートテイクのルールでやってみて銅だったかなど感想から出し合っていくなど、段階を踏んでやっていくことをお勧めします。

Q16.初心者向けに講習会を開くことが困難なため、初心者がいきなり現場に入ることが多いです。その場合、利用者がその場で教えたり、コーディネーターが説明していますが、どういった方法で対応すればいいのでしょうか。(利用学生)

A.瀬戸今日子(同朋大学学務課障害学生支援室)

初心者のノートテイカーが現場に入ることもあると思いますが、最低限、「ノートテイクは記録ではなくその場で読むために書くこと」「単語だけではなく文章で書き続けること」など基本的な書き方は伝えておくようにしましょう。それから、担当する科目についての情報を伝えましょう。授業の進め方や先生の話し方など、状況がわかっていることで、落ち着いた対処ができます。
また、できるだけ初心者どうしではなく、経験のあるノートテイカーとペアになって派遣するようにします。利用学生からも、「次回、こうやってくれると、もっと使いやすくなる」ということを少しずつ伝えていくことで、書き方のコツも吸収しやすくなるでしょう。
利用学生が複数いる場合は、お互いにどういったことをテイカーに要望したり伝えたりしているか、連絡を取り合って、ノートテイカーを育てていくというような気持ちで接していくと良いと思います。

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