ワークショップ「聴覚障害学生の意思表明支援とは―支援担当教職員の役割を中心に―」(2016年11月)

開催要項

目的

平成28年度から障害者差別解消法が施行されたことにより、大学における合理的配慮の提供が義務化となった。そのため、従来聴覚障害学生が入学したことのない、あるいは支援提供の経験がない機関においても、今後何らかの支援提供が拡大していくことが予想される。

聴覚障害学生への支援の提供においては、本人からの意思表明に基づいて合理性が判断され、関係者の合意の下で実施されることになる。一方で、大学入学以前に支援の乏しい環境で過ごすことの多い聴覚障害学生は、自ら意思表明する機会を奪われていることが少なくない。それゆえ、本人からの意思表明を促す支援が必要となってくる。しかしながら、大半の支援環境においては、キャンパスライフにおける聴覚障害学生の意思表明プロセスにともなう支援が不十分であり、それゆえ本人が支援の改善を表明して支援を行う段階までに至らないことが課題とされている。
そこで、筑波技術大学に事務局を置く日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)では、聴覚障害学生の意思表明プロセスにおける支援の具体的な取組内容や支援担当教職員の役割について明らかにすることを目的に、モデル事例構築事業「聴覚障害学生の意思表明支援~支援担当教職員の役割を中心に~」として、インタビュー調査等を進めてきた。

本ワークショップは、本事業の一環として、障害学生支援の担当教職員を対象にこれまでの調査内容をもとにした聴覚障害学生の意思表明に関わる2つの事例についてグループディスカッションを行い、聴覚障害学生が意思表明にいたるまでの過程や、彼らへの必要な支援について学びあうことを目的として開催した。

ワークショップの様子
主催日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)
日時2016年11月3日(木・祝)10:30~15:00
会場秋葉原コンベンションホール 5階5C会議室
対象者高等教育機関で聴覚障害学生を含む障害学生への支援業務を担当している教職員
参加者41人(スタッフ等含む)
参加費無料

プログラム

  • 10:30~10:45  開会行事
  • 10:45~11:45  基調講演
    「大学生の援助要請行動のプロセスから考える障害学生支援」
    木村真人氏(大阪国際大学 学生総合支援部 学生相談室)
  • 11:45~12:15  論点整理および質疑応答
    (代表質問ならびにフロアからの質問)
  • 13:15~14:45  グループディスカッション 13:15~14:45
  • 「聴覚障害学生の意思表明を引き出す支援とは」
  • 14:45~15:00  総評

日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)平成28年度モデル事例構築事業メンバー

  • ○吉川あゆみ(関東聴覚障害学生サポートセンター)
  • 有海順子(関東聴覚障害学生サポートセンター)
  • 甲斐更紗(関東聴覚障害学生サポートセンター)
  • 益子 徹(関東聴覚障害学生サポートセンター)
  • 池谷航介(大阪教育大学)
  • 太田琢磨(愛媛大学)
  • 木谷 恵(立命館大学)
  • 松崎 丈(宮城教育大学)

※○は事業代表、事業代表以下五十音順

※資料は当日参加者のみの配布

【参考情報】

聴覚障害学生のための意思表明支援のために―合理的配慮につなげる支援のあり方―

【関連情報】

水野治久著,永井智・木村真人他編:援助要請と被援助志向性の心理学―困っていても助けを求められない人の理解と援助―.金子書房

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