【事例1】 -早稲田大学の例- 5.カリキュラム例
例 入門講座(90分×3コマ)の場合
◇ 講座1 ◇
聴覚障害とは?情報保障とは?(45分)
聴覚障害について基本的な知識を伝える。医学的にというよりも講師が「自分の言葉」で伝える。中学高校の授業と大学の講義の違いを説明し、なぜ情報保障が必要になるのかを理解させる。
基本的な書き方part1(45分)
ノートテイクをした実物を提示して具体的なイメージをつかませてから、実際に簡単な話をノートテイクしてみる。まずは、文章として書くこと、読みやすく書くこと(太め・大きめの字)を重視する。
◇ 講座2 ◇
基本的な書き方part2(30分)
正確に要約することや情報のネジレをおこさないことなど、内容面を丁寧に指摘しながらノートテイクに近づけていく。
板書や資料への対応(40分)
講義のような内容を練習し、板書や資料への対応など応用的な部分を指導する。交替の方法や待機中の役割なども説明。
ルールとマナー(15分)
ノートテイカーとして活動するにあたっての諸注意や心構えを説明。「聴覚障がい学生の主体性を尊重する」「責任を持って行う」の2点を重点的に伝える。
登録説明(10分)
活動する際の流れを一通り説明する。
養成講座の様子
◇ 講座3 ◇
利用者体験(30分)
2人1組になり1人がヘッドホンをつけて利用者の立場、もう1人は通常通りのノートテイクを行う。音声情報を遮断した時にきちんと伝わるノートテイクかどうか確認する。
利用者役にはその際の感想なども聞き、現場で自己評価し、改善できるようにしていく。
感想の例:手が邪魔/手が止まると不安/字が小さい/要約があいまい/文末があいまい
経験者のデモンストレーション(30分)
ノートテイク活動歴の長い経験者のノートテイクを全員で見る。経験者からはノートテイク中の判断の仕方などを話してもらう。
まとめの練習(30分)
まとめとして長めの講義形式のもので練習。
講師:早稲田大学障がい学生支援室コーディネーター 岡田孝和氏(所属・肩書き及び掲載情報はすべて2006年度時点)