【事例2】 -東京大学の例- 2.希望者の面接
東京大学では、ノートテイカーを希望する学生に対して、主にパソコン面入力技術を確認するために面接を行っています。
ノートテイカーを希望する学生からの申し込みを、メールまたは電話で受け付け、後日面接日時を設定します。面接はバリアフリー支援室(下記用語説明参照)で行い、支援コーディネーター(下記用語説明参照)が対応しています。
面接の手順
1.業務説明
- ノートテイクの概要(ノートテイクのログ見本、ノートテイク中の写真などを利用する)
- 入力方法
- 勤務時間
- 勤務場所
- シフト(ノートテイカーの担当科目は固定、一日1コマ、一週間に2コマ以内とする)
- 謝金(給与)(月末締め翌月末払い、時給925円、銀行振込み)
2.大学で聴覚障害学生が「学ぶ」とはどういうことかを説明する。
3.ノートテイカーの業務責任(守秘義務など)および心得について説明する。
4.パソコン入力テストを行う。
模擬授業テープを聞きながら、パソコンに入力をするテスト。
模擬授業テープとは、実際の授業に見立てた内容を録音したもの。約110分。
速度は、「通常から、ややゆっくり」に設定。
テストは、10分間連続で行うのではなく、入力が上手くできないなどの場合には、途中で支援コーディネーターが様子を見ながら一時停止させ、コツを伝えた後、再開する方法で行う。
面接時間は約30分程度です。
採用合否は、支援コーディネーターの判断により、結果は口頭で伝えています。
入力速度や入力内容が不十分な場合は、ノートテイクではなく文字起こし作業を担当してもらっています。
Point
- 大学でのノートテイクは、ある程度の授業の専門分野・専門用語の知識が必要なため、ノートテイカーは、ノートテイクを行う授業の学部生に限定している。
- パソコン入力テストの際は、テストを受けている学生の入力技術を、まず褒める。そのあと、「でも、こうやってみたら、もっといいかもしれない」と改善点を付け加える。そして、また褒める。ということを繰り返す。
- バリアフリー支援室の雰囲気を明るくするように努めている。
(例えば、音楽を流す、お菓子を置く、ドアはオープンにする、談話スペースを設けるなど。)
用語説明
バリアフリー支援室
東京大学に在籍する障害をもった学生と教職員の支援を行う部署。駒場支所と本郷支所の2支所がある。
支援コーディネーター
大学内で障害学生支援が円滑に行われるよう、様々な調整を行う職員。現在2支所に常勤(駒場支所2名、本郷支所1名)している。
講師:東京大学バリアフリー支援室コーディネーター 中津真美氏(所属・肩書き及び掲載情報はすべて2006年度時点)