Q 履修に関して配慮すべきことは何ですか?

授業における支援は情報保障者の配置だけではありません。履修申請時の調整や配慮によって、学びやすい環境を整えることが必要な場合も多く、語学やゼミ、実験、実習など授業形態が複雑な授業では特に重要になります。

履修に関する配慮の具体例

  • 語学のリスニングやスピーキング授業をリーディング・ライティングへ振り替えて申請できるようにする
  • 個別指導、チューター制度などを紹介する
  • 授業担当教員との事前打ち合わせを設定し、必要な配慮や授業の進め方について確認する
  • 配慮事項として、文字資料の提供、授業方法の事前確認を周知徹底する

このほか、複数の聴覚障害学生が同じ科目を履修する場合、できるだけ同一のコマを履修するように調整し、情報保障者を共有できる状況をつくることもあります。

TipSheet「入学当初のサポート」土橋恵美子・倉谷慶子・中島亜紀子より

なお、上記はあくまでも例示であり、履修に関する配慮は、記載されている具体例だけに限られるものではありません。
内閣府の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」の3合理的配慮(1)アには「合理的配慮は(中略)事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。」とあります。
授業における「本質」とは「授業の目的・内容・評価の本質」であり、まずはその確認が重要です。それらが障害によって不利な状況にならないことを確認したうえで、本質の変更をしない範囲で柔軟に調整する必要があることにご留意ください。


(2022/11/25加筆)

参考になる資料

入学当初のサポートについては、以下のTipSheetに概要がまとめられています。

TipSheet「入学当初のサポート ㉓」
土橋恵美子(同志社大学学生支援センター障がい学生支援担当)
倉谷慶子(関東聴覚障害学生サポートセンタースタッフ)
中島亜紀子(PEPNet-Japan事務補佐員)

入学決定後のサポートの流れ
入学前の打ち合わせ
履修に関する配慮
入学式での情報保障
オリエンテーション
配慮の依頼

「入学当初のサポート」 ダウンロード

チップシート「入学当初のサポート」1
チップシート「入学当初のサポート」2
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