情報保障の方法 2.連係入力によるパソコンノートテイク

パソコンを用いて授業中の音情報を入力していく方法で、最近導入を検討する大学が頓に増加してきています。パソコンによるノートテイクは入力の方法で大きく二つにわけられます。

(2)連係入力によるパソコンノートテイク

連係入力というのは、聞こえてくる文章のうち、前半を入力者A、後半を入力者Bが打ち込むなど、複数の人が協力して文章を完成させていく入力方法です。同時に作業をする人数が2人以上になるので、その分1人入力より情報量も多くなります。入力には専用ソフト(無料ダウンロード可)を用い、複数台のパソコンをLANでつないで行います。

連係入力によるパソコンノートテイクのシステム例

<必要機材>

  • 入力用パソコン    2・4台
  • 表示用パソコン   1台
  • HUB        1台
  • LANケーブル     4・5本(パソコン台数分)
  • 電源タップ(6口) 1個

<使用ソフト>

代表的なソフトは以下の2つです。

【入力例(使用ソフト:IPtalk)】

二人以上の入力者が、共同で1文を完成させます。パートナーの入力している文字は自分の入力スペースの上に表示され、何を打っているかを確認しながら、自分の入力を開始します。
例)
講師の発言:「全体で20秒程度ですが、手話が早いと思いますので・・・」
→パートナーの入力:「全体で20秒程度ですが」
自分の入力:「手話が早いと思いますので」

連係入力によるパソコンノートテイクの入力例入力画面
連係入力によるパソコンノートテイクの入力例表示画面
【システム例】

入力用パソコンと表示用パソコンをそれぞれHUBで接続します。IPアドレスを設定し、LANを組めば入力が可能です。

連係入力によるパソコンノートテイクのシステム例1
【配置例】

教室の形態によってさまざまな配置が可能ですが、図のように聴覚障害学生の近くで入力すると資料を指したりなどのサポートが可能です。

連係入力によるパソコンノートテイクのシステム例2
【応用例】

実習や実験など動きのある授業では、無線LANを用いることでより自由な配置が可能です。聴覚障害学生の持つ表示用パソコンにタブレットpcなどを利用すると、さらにコンパクトにおさまります。

連係入力によるパソコンノートテイクのシステム例3

講師:筑波技術大学障害者高等教育教育研究支援センター准教授 白澤麻弓氏

参考になるTipSheet

文字による支援方法 三好茂樹
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参考になる資料

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《目 次》
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  • パソコンノートテイクとは?
  • パソコンノートテイク体験
  • パソコンノートテイクの練習
  • パソコンノートテイクの実際

【これで完璧!パソコン接続・設定】

  • パソコン同士の接続
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  • よくあるトラブルと解決方法
  • IPtalkのインストールと機能紹介
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