【事例2】 -東京大学の例- 3.登録手続き

東京大学では、ノートテイカーは「登録制」としています。

登録手続きの流れ

1.書類(受付表、希望シフト、守秘義務に関する覚書、振込先登録依頼書)に、必要事項を記入してもらう。

2.実際にノートテイクを行う際の作業手順を説明する。→ 派遣 参照

3.IPtalkの使い方を、マニュアルに沿って説明する。

4.欠席および遅刻の取り扱いについて、以下の説明をする。

欠席・遅刻に関するルール

<ノートテイカー>

  • 欠席をする場合
    できるだけ前日までに、バリアフリー支援室に電話またはメールをする。やむを得ず当日欠席をする場合は、至急バリアフリー支援室に電話をする。
  • 遅刻をする場合
    至急バリアフリー支援室に電話をする。到着予定時間を必ず伝える。電車の中などで電話ができない時のみ、メールにて連絡をする。
    → 支援コーディネーターからの指示を受ける。

<聴覚障害学生>

  • 欠席をする場合
    できるだけ前日までに、バリアフリー支援室にメールをする。
  • 遅刻をする場合
    至急バリアフリー支援室にメールをする。到着予定時間を必ず伝える。

欠席・遅刻への支援交流室の対応

ノートテイカーが欠席した場合>

連絡が入り次第、代わりのノートテイカーを、バリアフリー支援室内で文字起こしを担当している学生の中から選び、派遣する。

<ノートテイカーが遅刻した場合>

  1. 到着予定時間が授業開始から15分以内であれば、到着までの間、ペアを組んでいるもう一方のノートテイカーが1人でノートテイクを行う。遅刻をしたノートテイカーへの謝金は、実働時間分のみを支払う。
  2. 遅刻が15分を超える場合、その日のノートテイクはキャンセルとし、代わりのノートテイカーをバリアフリー支援室内で文字起こしを担当している学生の中から選び、派遣する。遅刻したノートテイカーへの謝金は支払わない。

<聴覚障害学生が欠席した場合>

その日のノートテイクは中止とし、担当のノートテイカーに至急連絡をする。

<聴覚障害学生が遅刻した場合>

  1. ノートテイカーは授業開始から30分まで、教室の中で聴覚障害学生の到着を待つ。この間、入力は行わない。聴覚障害学生が到着し、授業を受ける準備が整い次第、ノートテイカーはノートテイクを開始する。ノートテイカーの謝金は、待機時間も含めて支払う。
  2. 30分を過ぎても聴覚障害学生が到着しない場合、ノートテイカーは、バリアフリー支援室に電話をする(機器類は片付けずに退室)。この場合は、待機時間30分の謝金を支払う。

5.入力ルールについて、以下の説明をする。

(例)

  • ノートテイクの書式は、統一する。
    2006年7月7日(金)
    憲法
    (1行空ける)
    先生/こんにちは。暑いですね・・・・。
  • 先生の発言の前には「先生/」、学生の発言の前には「学生/」を入力する。
  • 先生の発言と学生の発言の間は、2行改行する。また、話が変わる時も同様。
  • 教科書を読み上げる時は、出だしのみ入力し、以降は「(朗読)」と入力する。
  • 教室内で笑いが起こった時は、「(笑)」または「(一同笑)」と入力する。
  • 聞き取れなかった箇所または入力できなかった箇所は、「****」と入力する。

※入力ルールをまとめたものは、ノートテイカーに配付している。

6.聴覚障害学生の氏名を伝える。

7.ノートテイカーが自主練習を希望する場合は、予約を入れる。→フォローアップ 参照

Point
  • 代替のノートテイカーを、バリアフリー支援室で文字起こし作業を行っている学生から選ぶことで、迅速な対応ができる。(※文字起こし担当学生の中で、いずれはノートテイク担当を希望している学生へは、ノートテイカーの自主練習の際のペアになってもらったりしながら、コーディネーターのアドバイスを受け練習をしている。)
  • ノートテイカーに、自主練習を促すようにする。促すための声かけは、例えば「期待しているよ」などと言い「もっと練習しよう」という気持ちにもっていくよう努める。あるいは「自主練習をすれば当日の不安が少なくなるかもしれないね」など、ノートテイカー1人1人の様子を見ながら各々に応じた声かけを行っている。
  • 緊急時の連絡先として、ノートテイカーおよび聴覚障害学生に、バリアフリー支援室の電話番号とメールアドレスは携帯電話に登録しておくことを勧める。

用語説明

IPtalk

アイピートーク。要約筆記用ソフト。IPtalkホームページから無料でダウンロードできる。

文字起こし

ノートテイクのログ(パソコンノートテイクの際に入力されるデータ)を元に、授業で録音した音声を聞きながら、すべての音声情報を文字に起こすこと。

講師:東京大学バリアフリー支援室コーディネーター 中津真美氏(所属・肩書き及び掲載情報はすべて2006年度時点)

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