ドキドキ!「アマゾン川を渡ろう」 実践例
2012年にPEPNet-Japanが実施した「聴覚障害学生のエンパワメント研修会」の実践報告を元に作成しています。参考事例としてご覧ください
アマゾン川を渡ろうでは、川の向こうにある課題を取りに行き、「学校は私服と制服のどちらが良いか」「原子力発電を廃止すべきか」などの課題についてグループ内でディスカッションをして意見をまとめ、発表するという活動に取り組んだ。
この研修では、グループのメンバー全員が分かるコミュニケーション手段を使いながら、仲間の意見を聞き、まとめていく作業が随所で必要になる。学生たちは、相手の顔を見て話したり、ホワイトボードを使って文字でのやりとりをしたり、時には声を使うなど、グループ内で伝わり合うコミュニケーション方法を模索しながら活動や議論を進めていった。
グループとしての活動が基本となるエンパワメント研修会において、グループ内で通じ合う主たるコミュニケーション方法が何であるのか、実践を通して確認できたことで今後の活動を支える基盤が形成され、非常に有意義であった。また、様々な意見に触れることで、同じグループのメンバーについても理解を深めることができ、加えて、グループとしての見解をどのようにまとめていくのかについても考える機会となった。
参加者の声
- アマゾン川を渡るための工夫、ディベートで早くプレゼンの内容を決めてプレゼンすることが良い経験になりました。採点の批評をして欲しかったです。
- グループ内で協力して楽しみながら意見を出しあえた。
- 決められた時間の中でいかにクオリティを上げながら課題をこなすか?というテーマが初めてだったので、新しい自分の力に気づくことができて良かった。
- まだ親しくない中、一つの目標に向かって協力せざるを得ない状況で、実際に動きながらメンバーについてお互いこういう人なのだと知ることができて良かった。
- 考えが深められた。他の人の意見を聞けてその人に興味を持つきっかけになった。
- チームと協力して意見をまとめて発表できるのは、めったにないので、いい経験になりました。
- 話し合いをする時間が短かったように感じる。内容としては、興味深いものだったので、もう少し時間が欲しかった。
教職員の声
- 聴覚障害のある学生は、批判的思考やディベートなどに慣れていないので、こういう形で体験できるのは非常によいと思う。
- 普段、大学では同じ聴覚障害のある学生同士で議論できる環境にないため、グループ活動の重要性を感じた。
- グループの発表に対して、コメントを返してあげるとなお良かった。