研修⑤「ロールモデルから学ぼう!」
- 司会:大杉豊氏(筑波技術大学)
- 講師:
米谷美津子氏(北海道銀行、小樽ろうあ協会)
山本恵理氏(株式会社アイワード(印刷会社)、札幌聴覚障害者協会)
河村明香音(株式会社jtbワールドバケーションズ、札幌聴覚障害者協会)
本企画は、「事前課題」と当日の「講演・ディスカッション」の2本立てで実施された。
「事前課題」
事前課題では、聴覚障害学生のエンパワメントをテーマとした課題dvd 「access!聴覚障害学生支援DVD(4) 踏み出そう!社会への「道」」を視聴し、あらかじめ提示された問いに答えることで、参加学生に「働く」ことについて自分なりに考え、イメージを持ってもらうことを目的とした。
(詳細は「聴覚障害学生のエンパワメント事例集 教えて!先輩『ロールモデルに学ぶ-1』(事前課題)」の【例3:北海道地区の例】を参照のこと)
「講演・ディスカッション」
当日は、聴覚障害を持つ社会人の先輩3名をお招きし、はじめに現在の仕事について簡単にお話いただいた。
その後、学生はグループに分かれ、講師に対して聞きたいことを黄色の付箋紙に書き出し、模造紙に貼って整理した。
書き出されたタイミングで、講師は各グループに入り、1グループにつき15分ずつ、3グループでディスカッションを行った。このとき、講師の答えやそれによって得た気付きを、学生はピンク色の付箋紙に書き加えていった。
ディスカッション終了後、模造紙の余白部分に、一人一人気付いたことや決意を書いて終了した。
参加学生からは、主に社内のフォーマルな場でのコミュニケーション方法から、飲み会のようなインフォーマルな場でのコミュニケーション方法、会議、朝礼などの情報保障、自分の障害をどのように説明するか、などの質問がなされた。
普段漠然と抱えていた働くことに対する疑問を直接聞くことができる貴重な機会となったようである。
(詳細は、「聴覚障害学生のエンパワメント事例集 先輩達へのインタビュー 米谷美津子氏」(準備中)、「山本恵理氏」(準備中)、「河村明香音氏」(準備中)を参考にされたい)
ディスカッション時の模造紙の書き起こし
参加学生の声
「先輩方の話を聞けて大変勉強になった」
「ロールモデルの話を聞くことで、これからの将来像を見出すことができた」
教職員の声
「社会人の先輩の話はとても重みがあり、心にしみ入るよう。学生たちもそうだったのではないか。質問への回答をピンクの付箋に書いて貼るのもよかった」
「今までは就職に対する不安だけで、具体的なイメージが持てていない様子だった学生が、実際に働いている先輩の話を聞いて、社会人の厳しさと格好良さに魅かれ、自分もこうなりたい、なれる、そのためには・・・と考え始めるのがわかった」
「実社会へしっかりと通を切り開き、逞しく生き抜く先輩の経験談やアドバイス、交流は、今大学・社会へと踏み出していく彼らにとって、貴重な機会であり、沢山の励ましと、今と未来へのビジョンを与えてくれるものだった。また、教員として大学ではどのようなサポートをすることが彼らの将来に役立つかについて、貴重な示唆をいただいた」